木牛流馬が動かない

テクノロジーや気付きによる日常生活のアップデートに焦点をあて、個人と世界が変わる瞬間に何が起きるのかを見極めるブログ。テーマは人類史、芸術文化、便利ツール、育児記録、書評など。

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育児記録 #7 新生児・育休編

5月に子供が生まれました。 そこで初めて育児休業を取得し、1ヶ月間育児に専念してみました。

今回はその記録と感想です。 一言でいって、超大変でしたが、幸せな時間でした。

育休とは?

子供が生まれたときに、その世話をするために仕事を休むことができる、国の制度です。 厚生労働省父親の仕事と育児両立読本~ワーク・ライフ・バランス ガイド~ - わかる育休 (PDF) を見ると、以下のように書かれています。

Q1. 育児休業をとれるのは、どんな人?
A1. 原則として、1歳になるまでの子どもを育てる男女従業員です。

Q3. どれくらいの期間とれるの?
A3. 原則として、子どもが満1歳になるまでの間で、従業員が希望する期間、とることができます。

Q7. 会社に制度がないからと会社や上司が育児休業を認めなくてもいいの?
A7. 会社に制度がなくても「育児休業」は取得できます。また、会社が申し出を拒むことは禁止されています。

正確には、「育児休業」といいます。 あくまで育児をするために、仕事を休む(休業)だけで、けっして休暇ではありません。

まぁ制度もろもろは分かりやすい解説サイトがいろいろあるので、調べてください。期間も、今は1歳半になるまで、保育園に入れなかった場合は2歳までOKに変わってます。

取得する場合は、育児休業給付金と社会保険免除の申請を忘れずに。

標準的な一日のスケジュール

育休期間中の、一日のスケジュールを公開します。

我が家は子供が3人になったので、以下「子供①②③」で表記します。 ①は5歳(年長)、②は3歳(年少)、③が今回生まれた新生児です。

朝/6:00-9:00

  • 朝食用意
  • 子供①②を起こす
  • フトン上げる (和室なので)
  • 朝食
  • 朝食片付け、食洗機をセット
  • 子供①②の外出準備 (妻が子供③に授乳しながら、①②を見張る)
  • 子供①②を保育園に連れて行く
  • ママ友さんや先生達に祝いの言葉をもらう
  • 育休とってる旨を説明

午前/9:00-12:00

  • ようやく一息ついてコーヒー1杯
  • 各種事務作業
  • 食材買い出し
  • 重めの家事 (後述)
  • 昼食準備

午後/12:00-17:00

  • 妻と昼食
  • 昼食後は主にデジタル作業
  • ちょっと休憩にマンガ読んだり
  • 夕食の仕込み
  • 子供③の沐浴
  • 子供①②を保育園に迎えに行く
  • ママ友(略

夕方/17:00-20:00

  • 子供①②と帰宅
  • 妻が風呂に入る間、子供①②に子供③を預け(もちろん私が見張りつつ)、夕食準備
  • 子供①②と風呂
  • 洗濯機スタート
  • 夕食
  • 夕食片付け & 朝食仕込み
  • 洗濯物を干す
  • 子供①②に絵本読む
  • 全員寝る

早朝/4:00-6:00

  • Skype英会話
  • 趣味 (音楽関連、ブログ)
  • まぁ、起きられれば、ですけど。

育休中に(やろうと思って)やったこと

育児(子供③)

もちろん主目的なのでやりました。 上記1日のスケジュールに加え、新生児は1〜2時間おきに泣き出すので、昼夜問わずこれに対応します。

しかし、これは妻がメイン担当。基本、母乳なので、まだミルクをあげることもほとんどなし。 父親ができることは、オムツ替えるか、抱っこ(し続ける)くらいです。

やはりキツイのが、夜泣き(というか空腹とオムツ)対応。 4kg程度の赤ちゃんでも、ただ長時間抱っこし続けるのは意外と力仕事です。

沐浴はなるべく私がやりました。日中の暖かい時間帯に沐浴ができたのは、育休をとったからこそですね。 これはだいぶ幸せな時間を感じることができました。

妻の療養

これが予想以上に、最重要かつ最難関ミッションでした。

これまで知りませんでした(実感がありませんでした)が、産後の女性(一ヶ月健診まで)はいわば「全治一ヶ月のケガ人」と同様。 産後1週間程度で退院はしますが、その後の1週間も自宅で入院中とほぼ同じ生活をする(せざるを得ない)のです。

しかも、母親は、赤ちゃんに授乳するために、栄養分が常に不足状態にあります。 そこで、母子手帳や病院からもらった冊子を参考に、野菜や魚多めの煮物など、和食を中心に作りました。もちろん薄味。

目標は、よく言われる栄養基準の1日30品目。 特に数えたり記録したりはしてませんが、毎日少なくとも20品目は超えていたと自負しています。 一時期高騰しまくっていた野菜が、この時期はお安くなっていたので、大変ありがたかったです。

退院2週目は、すこし回復したようなので、肉や魚を徐々に増やします。 ここでも鶏肉などヘルシー路線です。 これくらいから妻も回復し、簡単な家事はできるようになっていました。

3週目には、8割方回復したようだったので、野菜は多めですが普段通りの料理にしました。 といっても、体調が回復しただけで、体力はまだ戻っていない様子。 散歩とかヨガとかやらせつつ、家事は普通にやってもらってました。

基本的に妻も子供③も外出できなかったので、私も自宅で食べるしかないのです。 そこで少しでもバリエーションをと思い、パエリア作ってみたり、クッキー焼いてみたり、TVで紹介された近所の店のトンカツをテイクアウトしたりと、育休ならではのこともやりました。 言っちゃナンですが、これは私がもともと料理好きだからできたことのように思います。

育児(子供①②)

食事もトイレも自分でできるくらいの年齢(①5歳&②3歳)なので、世話というより、メンタル的なところのフォローですね。

つまり、赤ちゃん返りからのイヤイヤ期再発です。

育児の鉄則「(新生児ではなく)上の子を優先する」を守り、なるべく会話や要求をのむスタイルをとります。 新生児は誰が見てても大差ありませんが、5歳くらいは親じゃないといけないことも多い。

それでも2週目くらいは、結構荒れてました。 昼間、保育園に預けられるのは、本当に助かりました。

だんだん慣れてくると、子供①②が子供③を抱っこしたがったり、おむつ替えを手伝ってくれたり、と楽しみも出てきた様子。 育休中に保育園の参観日や子供の習い事に、私も見学に行けたのは、良い収穫でした。

自分の体力&健康づくり

話題は打って変わって。 私自身、育休直前まで公私共に忙しく、慢性的に疲れていたので、育休を機に健康回復を図りました。

  • 睡眠たっぷり(妻と新生児が退院してくるまで)
  • 近所をジョギング
  • 子供と公園に行ったときは鉄棒とか一緒にやる(地味につらい)
  • プロテインのむ
  • クロレラのむ(デトックスのため)

加えて、スマートウォッチを常時装着して、睡眠や脈拍などいろいろ計測してました。 私は朝が弱いので、どうにか睡眠パターンを把握したいと思ったのがきっかけ。

結果としては、なんとなく睡眠パターンは分かりましたが、スッキリ目覚めパターンまでは把握できませんでした。

ちなみに使った商品はこちら。

予想外の収穫が、血圧。 これもスマートウォッチで計測できる項目なのですが、私の寝起きの血圧がかなり低いことがわかりました。 日中は130くらいなのに、寝起き時は100以下。

しかし、じゃあどうすればいいのか、は結局よく分からないまま。。。

事務作業 & 断捨離

出生届だしたり、各種公的補助の申請したり(児童手当とか)、健康保険証つくったり。 ついでに、銀行口座ひらいたり、Googleアカウント作ったり1

親戚の内祝い対応なども、すべて消化。超絶めんどいかった。特に直筆手紙は超ニガテ分野。

重要タスクがある程度片付いたところで、日常的にやりたいと思いつつ後回しにしていた作業を消化しました。

  • 古い書類をデジタル化&処分(紙の厚みにして20cm分くらいをスキャンしました)
  • 粗大ごみ出す(大物家具や古い自転車や古パソコンなど。合計100kg以上捨てました)
  • 家の収納の整理
  • 家のIT機器メンテナンスと配置変更
  • 作業机の片づけ

こんなところですね。マジで忙しかったです。 ツールはWunderlistとtrelloをフル活用し、すべてをプロジェクトとして管理したことで、1か月で予定していた作業はほぼ全て終わらせました。

(あえて)やらなかったこと

本を読む

読みかけの本の続きは読みましたが、新しい本に手を出すことはしませんでした。 唯一、人から借りたマンガだけは(あまり長く借りるのも悪いので)読みました。

授乳中ヒマな妻には、横山三国志を半強制的に読ませました。

仕事関係のスキルアップ

前項とも関係しますが、一切仕事関係のことはしませんでした。 まぁCCで送られてくる仕事のメールは読んでましたが、その程度です。

おかげさまで、職場復帰直後は、育休前にやってた仕事をキレイさっぱり忘れてましたぁ!

ブログ

このブログですが、無理しないことにしました。 自分へのやさしさに定評のある私。

というか、記事作成にかける時間を劇的に短縮しないと続かないことが分かったので、対策考え中。

(やろうと思ったけど)できなかったこと

オンライン英会話

数回やりましたが、継続的にはできませんでした。 もう少し出来るかと思ってたのですが。

朝型生活に切り替え

健康づくりついでに、できれば朝型生活に切り替えるところまでやりたかったのですが、赤ちゃんの夜泣き対応もしつつでは厳しかった。

意外だったこと

お金の管理が、以前より慎重になりました。

というのも、夫婦そろって仕事を休むわけで、キャッシュがなくなっては困るわけです。 いくら一時金が給付されるといっても、いろいろ手続きを経るので、入金は数か月後。

我が家も、総資産としては足りていても、クレジットカード用の口座残高が怪しくなってくることがあり、あわてて別口座から移したりもしました。

もし育休を取得しようと思っている方は、1か月程度ならともかく、あまり長い期間とる場合は、 いつ頃どのくらいの引き落とし予定があるか、早めに把握することを強くお勧めします。

育休を終えて感想

よく言われることですが、妻以外ほとんど人と会話しないので、世間から取り残された気分になりました。 話には聞いてましたが、本当に感じると、やはり不安になりますね。

これもよく言われることですが、さまざまなメリットがあります。

私は最も大きなメリットは、子供と接する時間を多く取ることで、自分にとって最も大事なものを見直す機会になる、ということかと思います。 PCもほとんど起動せず、TVも観ず、アナログ作業と力仕事ばかりしていました。 それでも、これまでの人生でもっとも寛げた1か月だったように思います。

仕事が忙しすぎてというのは、男女関係ないことです。 個人的には、裁判員の徴集が許容されるのならば、男性の育休も(最低1か月を)いっそ義務化してもいいとすら思っています。

これを読んで、やってみようと思うパパさんがどのくらいいるのかわかりませんが、 男性のみなさん、皆一度、育休とってみる(結果とらないにしても、一度奥様と検討する)と、大変よいと思います。

おまけ

職場復帰時に忘れたものリスト。

私がうっかりさんなだけといえばその通りですが、ご注意ください。

参考

www.bengo4.com


  1. 新生児は18歳以上に決まってるじゃないすかー

GPD Pocket開封の儀

最近新しいモバイル用ノートPCを購入したのですが、これがまた面白いガジェットでございましたので、レビューします。

GPD Pocketとは

中国・深セン1のGPD (Game Pad Digital)社が開発したモバイルノートPCです。一言でいえば、とにかく小型で高性能で、モバイル用途に特化したガジェットです。

概要はこちらの動画をどうぞ。
www.youtube.com

なかなか十分な性能と思いませんか? これで本当にポケットに入るサイズなのです。

しかも実質6万円程度とお安い。 これだよ、これ!

私がモバイルPCに求める条件を満たしてくれる製品を長年探していたのですが、やっと巡り会った感があります。

本製品は、発売当時からその性能やクラウドファンディングで資金集めしたことなど話題になっていました。 しかし個人的にノートPCを買い替えたばかりのタイミングだったので、たいしてチェックしていませんでした。 最近、再ロットしたという噂をもとに探してみたら、あっさりAmazonで発見したので即購入、というわけです。

モバイルPCに求める条件

その条件はこちら。

  • 使用シーン
    • カフェでがっつり長文テキスト入力
    • 思いついたことをメモ(主に電車移動中など)
    • クラウドストレージに入れた資料(PDFとか)の閲覧
    • 最低限のメールチェックとWebブラウザ
    • MS Officeは不要(Power Pointはあってもいいけど)
    • 簡単なプログラミング(Pythonで小さいスクリプトを作るくらい)
  • ガジェット本体に求める機能・性能
    • マルチタスキング
    • そこそこ強いCPU
    • ストレージ容量はシステムの更新が常に保てる程度あればよい
    • 小さい、軽い、薄い
    • カッコいい

やはりモバイルは必要最低限であってこそ。 フルスペックの全部入りのノートPCなんて、モバイルガジェットとしては楽しくありません。 MacBook Proが金額的に手が出ないからのやっかみではありません。

モバイルガジェット遍歴

その前に、私がこれまで使ってきたモバイル端末をさらします。 基本的なスタイルとして、最低限のスペックがあればよく、フリーソフトを駆使してカスタマイズして使うのが好きです。

適当なノートPC

思い返してみると、おそらく学生時代に課題のレポート書いたりするためのガジェットを求めたのが最初のような気がします。 Windows MeとかXPとか。家族用を実質的に独占。

Let's noteとか欲しかったけど、学生の身では手が出ない。 というか、音楽にお金を使っていたので。

でも、やはり自宅から通いの身としては、単純に重量がつらかった。 このへんからノマドスタイルに憧れる。

Apple iPad (初代)

2010年発売。発売当初は衝撃的なガジェットでしたね。

ようやくまともなモバイルガジェットが登場したと、期待して購入しました。 実際、だいぶ使い込みました。

一番の問題は、マルチタスクに非対応であること。これはその後私が長らくiOS を敬遠する理由の1つでもあるのですが、やはりテキストエディタとブラウザくらいは同時に切り替えながら使いたい。

その後、Androidスマートフォンに移行してからは、そのうちアップデートが提供されなくなったこともあり、御役御免と相成りました。

MPGT2J/A ゴールド iPad Wi-Fi 32GB 2017年春モデル(iOS)

MPGT2J/A ゴールド iPad Wi-Fi 32GB 2017年春モデル(iOS)

スマホ+BTキーボード

Androidスマートフォンが(JとかKあたりから)そこそこの性能を持つようになったので、スマートフォン単体で作業が完結するならそれに越したことはない、と使い始めました。

最終的にたどり着いた結論は、こちら。
euphoniumize-45th.hatenablog.com

やはり物理キーボードがあると、作業効率が格段に上がります。 Bluetoothキーボードを接続して入力するスタイルは、私は相性がよかった。

このスタイルには2つ問題がありました。

1つ目は、どうしてもディスプレイ(スマートフォン)を置く机が必要になること。 カフェとかなら机があるのでいいのですが、電車移動中とかは無理。 この問題は最後まで解決しませんでした。まぁノートPC使えばいいわけですからね…

2つ目は、使っていたBluetoothキーボードがよく接続が途切れて誤動作すること。タッチの感触やサイズ感などがベストマッチだったので使っていたキーボードでしたが、バグってBackSpaceキー長押し状態を維持したままハングアップしたのは、ただ消えていく文字列(その直前に長時間かけて書いたテキスト)を眺めるしかない悲しい出来事でした。

まぁこんな感じで問題もありましたしたので、書きたいことがあるときだけの限定的な使い方になりました。

Lenovo YOGA Tablet with Windows

いわゆる2 in 1ってやつですね。 タブレットとノートPCのどちらとしても使えるタイプです。

ちょうど海外出張があるタイミングで、買い替えました。 主に、軽量、薄型、デザインで決めました。 3~4年くらいは使ったかな。

なかなか面白いガジェットでしたが、2017年末頃からWindows Updateが適用できなくなり、お役御免となりました2

GPD Pocketレビュー

で、本題です。

私はPC(本体)が好きなので、製造メーカーを評価する基準にどれだけ面白いPCを出せるか、は重視しているのです。

最近は(Amazonで買ったものとかで)チャイナ品質もそこそこ上がっているとは思っていましたが、(マーケティング的に)これほど尖った製品が出せるとは、チャイナへの認識を改めねばなりません。

開封の儀

ほかの紹介ブログにも写真は載っているので、特に目新しいことはないのですが、自分的記録なので載せます。

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化粧箱から小さい。
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本体とケーブルだけ。
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ロゴとか一切無しのシンプルデザイン。超好み。
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この超小型なサイズ感がわくわくさん。でもキー配列が変。

セットアップ

あまりやることはなく、GoogleドライブとOneDriveを同期するくらいです。

なぜなら、必要なツール(のインストーラー)をそこに全て入れているため。同期さえすればどこでも同じ環境で作業できるようにしています。 それぞれのツールは必要になった時にインストールすればよろしい。アカウント関係はセキュリティソフトLastPassで管理しているので、ログインも楽チンです。

使用感

約1ヶ月使っていますが、だいぶいいです。 ブログ記事書くのと、家のこまごました事務作業が捗っています。

一番のメリットは、サイズ感と言いたいところですが、スピード感ですね。 常に持ち歩けてさっと取り出せて、というところまでは小型だから当然といえば当然なのですが、加えて性能面が優れているため、開いてすぐに使えるスピード感が大変よろしいです。 コールドスタートでも十数秒で使用可能になります。

これはそこらのタブレット端末でも出来ることではありますが、上にも書いたように、私にとっては物理キーボードが重要。 これを備えている端末で(しかも格安で)、このスピード感はあまりないと思います。

USB-Type Cは初使用ですが、上下の向きを気にしなくて挿せるのは素晴らしいですね。

また、外部モニター出力用のアダプターが付属するセットを購入したので、必要なら大画面に写すこともできます。

続けて、細々したところの感想。

キーボード

上の写真見ても分かるように、キーボードが特殊です。 なので、ここに慣れるかどうか、が使いこなせるかどうかの第1関門になります。

私はキー配置を変更し、変更後のキーをテプラで貼っています。 f:id:euphoniumize-45th:20180521235711p:plain もう少しこだわりところだけど、ひとまずこれで使っています。 これで作業効率が爆上げです。

ちなみに、使っているキー変更ツールはこちら。 forest.watch.impress.co.jp

マウス

トラックポインターが搭載されていますが、私は好きくないので、別途、小型マウスを購入しBluetoothで接続しています。

ショートカットキーの登録

よく使うアプリをショートカットキーで起動できるようにしています。 これはGPD Pocketには直接関係なく、家も職場も含め、すべてのWindows PCで行っている設定です。 ショートカットアイコンのプロパティから設定できます。

f:id:euphoniumize-45th:20180522001136p:plain

その他カスタマイズ

厳密にいえば、GPD PocketはノートPCではありません。 横型で、キーボードも備え付け、Windows 10 Homeがインストールできる、Linuxタブレットです。 なので、ユーザー自身による多少のカスタマイズは必要。

最低限必要なのは(ロットにも依るみたいですが)、ディスプレイを閉じた時にスリープが解除される(ことがある)不具合の回避。 結構熱を持つので、症状が起きるなら、対策必須です。

その他にもいろいろカスタマイズが独特なので、いじり甲斐はあります。

新規ユーザーは、Wikiがあるので、まずは読みましょう。
https://gpd.wiki/index.php?GPD%20Pocket

まとめ

こまごましたところばかり書きましたが、だいぶ面白い端末です。 迷っている方は、文句なくオススメです。

参考リンク

https://shop.tsukumo.co.jp/features/180110g


Gemini PDAもよさげ

http://blog.mobilehackerz.jp/2017/06/pcgpd-pocket.html

GPD Pocketで再燃、ミニノートPC熱を楽しんだ2017年


  1. いい加減、漢字変換対応してほしい

  2. これまで使っていたノートPCでは、ストレージ容量が最新のWindows Updateに足りませんでした。ほぼすべてのアプリをアンインストールしても。。。

音楽がわかるって何? / 書評『音楽入門』(2/2)

前回は音楽の歴史を振り返りました。

euphoniumize-45th.hatenablog.com

今回は、音楽とは一体なんなのか? 人間との関係は?というところを考えていきます。

音楽と絵画と文章の比較

まず芸術作品としての分類上、音楽と絵画と文章の3つについて、それぞれの共通点や違いを考えてみたいと思います。 単にそれぞれの特徴の確認が目的であり、優劣を付けたいわけではありません。

芸術作品はその芸術性やメッセージ性を人間に伝えることが役割ですので、 芸術作品を鑑賞すること、その最初の段階として、作品のもつ情報を人間に入力するところに注目してみます。

文章

文章(たとえば小説や童話や詩など)は、ストーリー構成が非常に大切な要素であることは言うまでもありません。 しかしながら、段落の流れや一文一文の描写なども重要であることも論をまたない事実。

これは、文章が極めてリニアな表現方法であることが、大きな要因を占めます。

ここでは、リニアとは時間的に1次元的な情報伝達であることを指す。
言い換えると、もし仮に一切改行をしないなら、文章は一直線で取り扱うことができるという意味です(改行も表現の1つであることは承知の上で)。

さらに言い換えると、文章は表現手法だけでなく、その伝達においても時間的にリニアです。
文章は、目で読んでも、(朗読などを)耳で聞いても伝達することができます。 つまり伝達媒体に依らない情報としての芸術。 「言葉」という情報伝達手段そのものが表現手法でもあるわけです。

絵画/イラスト

絵画やイラストは、視覚による鑑賞を求める芸術。 対象物は、構図とその構成要素となる人間や動物や静物やその他の何かを描いたもの。 作品のサイズの大小はあるものの、一目見れば、どんな絵なのか全体像がつかむことができます(その絵の内容を理解できるかどうかは別問題)。

つまり、絵は、面での情報伝達。2次元です。

また、絵画においては、色彩も構図とならぶ重要な要素。 ファン=エイク兄弟の絵具技術や、印象派の光の表現も、色彩に革命をもたらしました。 これも含めるとするなら、「構図(≒タテ+ヨコ)、色」の3次元とみなすことができます。

分かりやすいのが液晶ディスプレイなどでデジタル化した場合。すべてピクセルの位置と色の情報で表すことができます。

ドローン1374台で絵を書く

この他に絵画の表現要素が思いつかないので、とりあえずこれでいきます。

ちなみに彫刻について。
彫刻は我々と同じ3次元世界の立体物ですが、絵と同じように「見る」ことで情報伝達するという意味では、私は絵画と同じ表現手法に分類されると考えています (もし「作品を触る」など別の鑑賞方法が提示されるなら、この限りではない)。

音楽

音楽は、入力が聴覚に限られます。

耳で聴くという行為は、時間的には(耳的には)リニアですが、その内容は高度に複雑な情報を「同時に」含んで伝達されます。 分かりやすくいえば、ボーカルもギターもベースもドラムも同時に鳴ってこそ、音楽として認識することができるということ。 とはいえ、複数音が同時に鳴ると話が混乱するので、単独音(たとえばアカペラ)で考えてみましょう。


歌詞もなく単独音ならこの曲がわかりやすい (伴奏は無視してください)

上に書きましたが、文章を読む時(朗読を聴く時)、同時に伝達する情報は1つだけです。 右耳と左耳で同時に別々の話が聞こえてきたら、聖徳太子ならともかく、これらを聞き分けるのは困難です。 何より、左右それぞれの文章情報は独立した1次元のものです。 (バイノーラル録音とか例外もあります)

しかし音楽は違う。 音楽の基本的な構成要素としては、前回上げたように3要素があります。

  • リズム
  • メロディ
  • ハーモニー

ハーモニーは、大きくキーとスケールに分類されますが、まぁ今はまとめていいでしょう。

さらに、演奏楽器の特徴もあります。歌なら、声色。

他にもありそうですが、曲の持つ情報としては、これだけでも4次元。1

音楽は、これらが同時に鳴るわけで、同時に鳴らないと音楽として成立しないのです。

ちなみに、一般に普段よく耳にする曲は、同時に異なる楽器の音が鳴ります。
メロディとベースと伴奏を同時に演奏することで、音楽として認識できるようになる、といえばイメージしやすいでしょうか。2 これは前回見たように、9世紀以降のポリフォニーの発見とその後のモノフォニーへの変化による影響が大きいです。 それ以前の時代では独唱や斉唱という単一メロディの音楽が主流でした。そのへんの話は前回記事を参照。

高次元のものは理解できない

上で書いたように、文章を1次元、絵画を3次元的な表現手法と捉えると、3次元世界に生きる私達はそれを理解することができるわけです。 科学の立場では、自分のいる世界よりも低次元のものは理解できる、としており、一応現実はそれに基づいたものである前提です。

一方、音楽は4次元以上の情報を持ちます。 我々人間が存在している3次元世界よりも高い次元の世界であることになり、我々がこれを理解しようとするのは不可能ということになります。 しかも、やっかいなことに、目に見えない。

おそらく私の設定した音楽は4次元表現という仮説か、我々の住む世界が3次元空間下にあるという前提か、音楽を理解できるという認識のいずれか(あるいは全部)がなにか間違っているんだと思います。

物理的性質の話ではありません。表現あるいは情報としての次元の話です。念のため。

次元とはなにか 0次元から始めて多次元、余剰次元まで、空間と時空の謎に迫る!! (サイエンス・アイ新書)

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(余談)鑑賞時間の話

音楽はこれまでに挙げた表現方法の中で唯一、鑑賞者の鑑賞時間を半強制的に束縛します。

読書は、読者が各人の好きなペースで読めばいい。

絵画は、脳の認識作業自体は一瞬であるから何度も鑑賞することになりますが、その回数と時間は鑑賞者が決めることができます。 もちろんこれは、美術館に何度も行くという意味ではなく、「2度見」が近い概念。

音楽は、表現者がその表現と伝達に要する時間を決めます。 表現者とは、演奏者のこともあるし、コンピューター音楽が当たり前となった今では作曲家、編曲家などが決めることもある。
鑑賞者は、現代でこそ録音された音楽を再生する速度を調節し、あるいは一部分をカットし、あるいは「10秒飛ばす」ボタンを押すことで、ある程度鑑賞時間をコントロールすることはできますが、音楽作品そのものの鑑賞所要時間は原則、表現者のそれに従うことになります。

まぁこれはそうですね。というだけ。

音楽を理解するとは?

音楽に限らず「物事を理解する」とはどういうことでしょうか?

り かい [1] 【理解】
( 名 ) スル
①物事のしくみや状況,また,その意味するところなどを論理によって判断しわかること。納得すること。のみこむこと。 「内容を正しく-する」 「 -力」
②相手の立場や気持ちをくみとること。 「 -ある態度」 「相互の-を深める」
③道理。わけ。また,道理を説いて聞かせること。 「義理ある兄貴の-でも/人情本・軒並娘八丈」 → 理会
④「 了解 」に同じ。 〔同音語の「理会」は物事の道理を悟ることであるが,それに対して「理解」は物事の意味・内容をわかることをいう〕
理解 - Weblio 辞書

私の定義では、物事の意味するところを言語化できたなら、少なくとも自分のこれまでの知識に近しい感覚のものがあることを思い出して論理的に結びつけることができたなら、これを「理解」と呼んでよいかと考えてます。

あくまで私は、です。 異論反論あるでしょうが、先にいきます。

音楽を理解するとはどういうことでしょうか?

私たちは、しばしば「この音楽はわからない」という言葉に接しますが、その場合ほとんどすべての人は、自分の中に、その音楽にぴったり合うような心象を描き得ないという意味のことを訴えるのです。この心象は、その人によって異なり、哲学、宗教、文学といったものから視覚的なもの、とにかく、音楽ならざる一切のものが含まれております。
もし、そうだとするばらば、その人達が音楽を理解し得たと考えた場合は、実は音楽の本来の鑑賞からは、極めて遠いところにいることになり、理解し得ないと感じた場合、逆説のようではありますが、初めて真の理解に達し得る立場に立っていることになるのです。
第2章:ロケーション333

非言語表現である音楽(たとえば初めて聴く曲)に触れたとき、ムリヤリにでも「言葉」で表現できれば「その音楽を理解できた」とみなすことに、著者は警鐘を鳴らしているわけです。 しかし難しいのが、「わからない」という状況は「理解に達し得る立場」なだけで、そこからどうやって理解に達するのか、は謎です。

文学などの言語表現を言語で理解することは、まぁそのままです。

絵画は、音楽と同じで「文章で」理解する必要はないわけです。 このことは、芸術作品に「意味」を求める姿勢が関係しています。

ですから、全てこのような音楽に触れてきた私たちは、純粋に音楽的な作品に接すると、その音楽が何を示しているかを知ろうと、努力するようになるのです。そうして、もし自分の満足行く答えが出ない場合には、その作品を理解し得ないと思い込むのです。
「鳥の鳴く声を聴いて誰もその意味を理解しようとしない。それで、聴いて楽しいではないか、それなのに何故、自分に向かって作品の説明を求めるのだろう」これは画家ピカソの言葉なのですが、むしろ音楽の場合にこそいわれていい言葉なのです。
ここにピカソが言っているように、絵画にあっても、鑑賞者は作者にその作品の意味をたずねるのです。 しかし、その意味を汲み取り得たと考え、また鑑賞し得たと考えている態度は、あるいは純粋絵画の立場からは誤解だったのかもしれません。また、誤解も成立しうる立場を古典の作家たちは喜んでとったのです。
このことはそのまま、音楽の世界に当てはまるように思われるのです。

第2章:ロケーション391

作品についてを言語化すること、少なくともこれまでの記憶や経験との符合(一致)を発見することは、ある種の「安心」をもたらします。「解決」といってもよいかもしれません。 科学技術は、これを理論と実験をもって積み重ねることで成長を続け、現代では支配的な力を持つまでになりました。 音楽を科学的に分析する研究も進んでいて、それはそれで音楽自身の進化にも寄与しています。

では、未知の表現にふれたときに、「安心」さえすればいいのかというと、必ずしもそうではないだろうと。 安心を求めることそのものは生物の本能的な欲求なので止めようがありませんが、常に「言語による」安心である必要はないと考えることは、芸術においては十分意味のあることだと考えます。 「言葉では表せないもの」という「解決」があってもいいはずです。

芸術家たちは、意識/無意識的にかかわらずその感覚を持っていて作品を通して伝えていると思いますが、一般人が鑑賞する際に言語化しなければ「理解」できないのは、なんというかモヤります。 上で書いた高次元の話につながりますが、非言語表現を言語化すると次元が下がるわけで、削ぎ落とされる情報がどうしても発生してしまうのです3

もっと言えば、音楽を聞いて感動した体験を言葉にするなんて無粋なことは本来したくないのです。 たとえ私が誰もが頷く名文が書ける作家であったとしても。 音楽を言葉にしたならばそれはもはや別物であり、できることなら音楽として感じたまま4にしておきたいのです。

もちろん、その感動やらをその音楽を聞いていない人に伝えたり後世に残すためには、今現在はどうしても言葉にしなければならないという人類の制約条件が立ちはだかることは承知しています。

私たちは音楽の印象を述べる場合、適当な表現法が見つからないので、他の連想的な言葉を借用します。これ以外に今のところ適当な方法がないのです。
第二章 : ロケーション368

しかし、個人が「感じる」ことに絞れば、音楽は音楽のまま残しておくことが最もふさわしいのです。 たとえばアインシュタインの脳を保存しておくのだって、似たようなコンセプトなわけでしょう?

物語

まぁ次元の話は半分冗談なんですが、音楽の理解に関して、私なりの結論を書いておきます。

キーワードは「物語性」。

著者の言う「誤った鑑賞態度」が音楽に求めるものは、音楽による「文章に変換可能な」物語、です。 シーンをイメージしやすい曲は、たしかに「理解」しやすいです。逆に、イメージしにくい曲は「理解」しにくい。

だから、現代人の感覚を最もよく表現しているはずの現代音楽が難解であり、まるで「映画のワンシーンのような」何百年も前のベートーヴェンが心を打つと言われ現代でも人気を博しているわけです。

音楽の本質は、音による物語であると私は考えます。 あくまでリズムやメロディやハーモニーの響きや動きを(音として)楽しむもの。

音楽からイメージされうる(たとえば小説や映画やマンガのワンシーンのような)物語は、音楽の理解という側面においては不要であると言えるのです。 もちろんそのようなイメージを楽しむことを否定する気はありません。私自身、映画やゲームのサウンドトラックとか大好きですし。

それでも純粋に音楽について考えるなら、きれいなメロディはきれいなメロディだから価値があるのであり、「ジブリっぽい」とか言ってしまうと(たとえポジティブな意味合いであったとしても)、本当に音楽について話しているかはわからないということになります。

その意味では、人間が音楽を理解することは、ひょっとしたら永劫できないのかもしれません。

音だけが表現しうる美の世界があるとして、そのような世界に人間が辿りつけるものだろうか?

やまむらはじめ『天にひびき』より

まとめ

今回の記事が詭弁か妄想の類であることは自覚しています。 音楽はこれだけ人間を魅了し続けえ、その謎はいつまで経っても尽きることがなく、だからこそ面白いですよね、と言いたかっただけです。 論理的なふりをしてまったく整合がとれなかったし。

とはいえ、文章化すれば理解が容易なのかといえば、私はそうも思っていなくて、むしろ文章を理解するほうが難しいのではないか、とすら思います。 私個人の感覚でいえば、言葉を言葉のまま理解できることはあまりなくて、自分の中で直感的に腑に落ちるまで「理解」できません。 たとえば実体験を思い出したり、イメージ図などに落とし込むことができると、「分かる」とみなしています。

要は、それぞれ別の表現による芸術なのであって、別物であることを意識できるなら、好きなように楽しめばよいということですね。

参考リンク


芸術作品の「タイトル」について、本書からちょろっと引用。


私が本書を読むきっかけとなった本。

ANAが社員に「西洋美術史」を学ばせる理由 - ダイヤモンド・オンライン


  1. 歌詞は文章なので、ここでは除外してよいでしょう。

  2. 演奏者が4人いれば4次元とみなすこともできますが、分析しづらいので、ここではその考えはとりません。

  3. 言語を低級表現と言っているわけではありません。

  4. 現代では「音楽を感じたまま残」すことができるのは、あくまでも音楽を聴いたときの感情・感想だけであり、音楽そのものを保存できるわけではない。