木牛流馬が動かない

木牛流馬が動かないのは、魔法かもしれないし、ロックが掛かっているだけかもしれません。いつもの視点をすこしだけ変えて日常をアップデートしていく、そんなきっかけになるノウハウや考え方を紹介していきます。テーマは、ライフハック、育児効率化、人類史、読書メモ、アニメ、音楽など。中の人は、埼玉在住の30台子持ちSE。

20年後の未来を垣間見る / 書評『2035年の世界』

著者により数年おきに刊行されている「極めて私的な未来予測本」の2035年版。 前作は『デジタル日本人』(1997年)。 本書の出版が2014年末なので、2035年は「20年後」です。いったい約20年後は、どのような世界になっているのでしょうか?

「とてつもない変化は、世界のどこかでもう始まっている。」

2035年の世界

2035年の世界

2035年の世界
高城剛

★★★☆☆

概要

世界中を飛び回り、社会問題や最新テクノロジーを各界の第一人者や研究機関に直接話を聞きに行く著者が、その情報をまとめて未来予測本としてまとめました。 1つ1つのテーマは2~3ページ程であっさり触れるのみ。しかし、これが100個並ぶと、未来の景色がすこし身近に見えてきます。

テクノロジーや社会などニュースやネットなんかで言われている内容も多々含まれていますが、本書の特徴はそれを元に「未来の生活」を描くこと。

個人的に気になるトピックだけピックアップして紹介したいと思います。

身体科学

未来は、人間の身体に関するテクノロジーが発達します。 たとえば、オフィスなんかでPCをつなぐ小規模ネットワークをLAN / Local Area Networkといいますが、未来はBAN / Body Area Networkが普及するそうです。

 BANとは、自分の身体に関する情報ネットワークのことだ。まず必要なのは、センサーがついた極小デバイスだ。これを体内に埋め込んで、心拍数や血圧、体温、発汗の程度などを計測する。計測された生体情報は、通信機能によってリアルタイムで外部の医師やパーソナルトレーナーに送られる。生体情報は24 時間態勢でモニタリングされていて、異常値が計測された場合は警報が鳴り、医師が診察にきたり、救急車を呼んでくれたりする。この一連の情報ネットワークをBANという。

本書「002 ボディ・エリア・ネットワーク」より

本書によれば、2020年頃から体内埋め込み型デバイスが普及します。そうしたデバイスは、医療機器の得意な日本メーカーでなく、「医療とはまったく関係のないメーカー」が開発していく、とのこと。その理由が気になるところですが、本書では具体的なメーカーや製品には触れず、「近代日本の縦型社会の弊害」という記述のみなのでよく分かりませんでした。

現在、一般へ普及してきた身体関係のテクノロジーという観点では、活動量計あるいは睡眠トラッキングですかね。 私もひとつ購入しましたので、そのうち使用感をレビューしたいと思います。

移動

僕は2035年には、ASEAN西部とインド東部で、大きな経済圏ができると考えている。

本書「31 東南アジアやインドで大陸横断鉄道」より

本書では、中国とインドの高速鉄道網計画に触れ、これが東南アジアを巻き込んだ一大経済圏を作ると予測。 まぁ予測と言うか計画なので、2国がよほど失速しない限り実現するのでしょう。 Yunnan

さて、ASEAN西部とインド東部ですが、中国でいえば個人的に注目しているのは雲南省三国志でいえば、孔明の南蛮遠征の土地です。といっても知人がいるから気にしているだけで特別詳しいわけではありませんが。
現在は経済的にはまだまだ発展途上のようですが、ベトナムラオスミャンマーと隣接しており、東南アジアの交通の要衝であることは間違いありません。
ただ、隣国が近いということはややこしい領土問題もあるということで、雲南省出身の友人に「急な山がすごく多い」という話も聞くと、土地開発が難航する懸念もあります。そこで山岳地帯に強い木牛流馬が活躍することは間違いありませんね!

雲南を拠点に活躍するITジャーナリスト山谷剛史氏の記事も、リアルな中国が知れるのでオススメ。

www.allchinainfo.com

一方、欧米では、時速1,200kmのイーロン・マスク氏のハイパーループ構想や欧州でもLCCの普及や高速鉄道など開発計画があります。本書では、他に空飛ぶ自動車、自動運転、LCCなどに触れ、特に超音速旅客機を使えば東京からLAまで2時間半で移動できるようになる、と予想。なかなか楽しそうな未来ですが、本書ではあっさり触れただけ。 2017年の今でこそ同様の情報はいくらでも溢れていますが、本書執筆時点ではそこまで書けなかったのかもしれません。 www.businessinsider.jp 10000km.com

さらに、著者によれば、移動の未来は次第に移動中に行う「別のこと」に注目が集まるようになる、とのこと。たしかに自動運転ならば、移動時間を他のことに使いたくなりますね。
遠距離移動は高速になり、近中距離は自動運転車を使う。ますます人々の移動は増えて、世界がまた一段と縮まっていきそうです。

だからこそ、移動中に何をするか、移動しないときにどう過ごすか、というライフスタイルに注目が集まっていくことになります。

ライフスタイル

テクノロジー中心の未来予測は本書以外でも多々ありますが、未来に人々がどのような生活を送るようになるか、という話は(ないことはないけど)あまり見聞きしません。
この点で、個人的には本章「スタイル」が一番の読みどころと思います。

大きなトレンドとしては、前述のテクノロジーの章と同じで、人々は身体性をより重視するようになるとのこと。

健康

まずは健康面から。

WHO(世界保健機関)は1990年代の終わりに、健康の概念を4つの観点で再規定した。「心身」「精神」「社会性」、そして4つめに新たに付け加えられたのが「霊的健康」で、満場一致で決定した。日本は当時、オウム真理教問題があったためにこの話題はオミットされたが、世界は霊性についてきちんと認めはじめている。

本書「36 神秘的」より

いったい霊的健康がどんなものなのか、本書では触れられていません。

しかし、身体と精神と霊を並列に扱うことの意味を、世界の人々は考え始めたということ。決してオカルト方面ではなく、おそらくパワースポットの効能を真剣に研究するとかそういう方向だと推測しますが、私にはまだ分からないので、今後調べていきたいテーマの1つです。

それにしても、八百万の神々が住まう日本が、この分野で出遅れるのは良くないですね。いまこそ日本が誇る、霊的自動筆記による予言書『日月神示』を再解釈して世界に示すべきでは!? (半分冗談、半分本気)

身体改造

タトゥーやピアスは、もともと未開部族の土着的な風習だった。このプリミティブな文化が現代に復活したのは、デジタル化した社会への反動だという見方がある。現代では、遠く離れた人と不自由なくコミュニケーションでき、一日中家の中にいたままネットで買い物ができる。こうした時代だからこそ、タトゥーを彫り、ピアスの穴を開けるといった肉体改造行為を通して、人々は自分の身体性を取り戻そうとしているというわけだ。  今後、21世紀のモダーン・プリミティブは、もう一回転してデジタル化すると僕は考えている。それは、デジタル化への反動から始まったプリミティブなものへの回帰に、デジタル技術が用いられる時代になるということである。

本書「39 デジタル・モダーン・プリミティブ」より

自分の肉体をあえて傷つけることで肉体を強く認識するためのモダーン・プリミティブですが、石器時代から行われている身体改造も未来にはデジタル化されるようです。

注)あんまりよく知らないからといって、安易にググるのは(特に画像検索は)オススメしません(体験談)

本書ではこの例として、8本の腕を持つギタリストやDJによる今は想像もつかないパフォーマンスが現れると予想。あるいは「千手」をもつ教祖の出現もありうるとのこと。Twitter映えしそうですね。

マスから個へ

著者は20世紀最大の発明を「大衆」としています。新聞やTVによって画一化された情報がどこにいても手に入るようになり、「大衆(マス)」が生まれました。

しかし、これからは「個の時代」。アルヴィン・トフラーのいう「Indivisual Empowerment」(個人の力の増大)がマスの時代を終わらせます。

インターネットは、映像や音楽といったコンテンツを「いつでも」アクセスできるようにしました。もはやTVの前で番組が始まるのを待機する必要はありません。すると人々は、万人に共通した1日24時間を何に「消費」するか、が個人個人で全く異なるものになります。

趣味が十人十色になることで、広告も各人の嗜好に合わせた商品が表示されるようになります。一部大手サイトではすでに実現していますが、AmazonGoogleといった大企業に個人情報を把握されてインターネットに生きることを良しとするならば(情報セキュリティリスクは残るものの)、ある意味で非常に快適な生活が待っていることになります。

余談ですが、著者はよくアマゾンから自著をオススメされるといいます。時には、まだ執筆中の本なのに発売予定日のお知らせが届くそうです。まるでアマゾンが編集者になったような仕事の催促ですが、これも「あなたのお買い物傾向から」が自動的に決めたこと。
自分で本を書かないとしても、自分の予定を先取りしてAmazonから商品をオススメされる未来を、便利だと思うか、怖いと思うか。あなたはどちらでしょうか?

「電源が入っていないか、電波の届かない場所に…」

一方、本書では、これに反抗するトレンドとして「オプトアウト」を挙げています。 著者の表現で言い換えると「圏外」となります。

もしFacebookAppleライフログを握られ生活の全てを捕捉されることを許容できないならば、もはや「電波」の通じないところに移動するしか方法はなくなります。 しかし、そういう人に限って貴重な情報をもっていたりするのが世の常。

どれだけデジタル化と「シェア」が進んだところで、インターネットには「誰でも入手可能な情報」までしか書いてなく、その先の本当に知りたいことは、その情報を持つ人に直接会わないと入手できないスタイルは未来でも変わらないでしょう。

テクノロジーの発展により移動がより活発になる未来に、はたして地球上に「圏外」は残っているのでしょうか?

リスク

これまで見てきたように、「リスク」の章でも主なトピックは健康や食品に関すること。

例えば、フッ素入りの歯磨き粉、使ってますか? 使っているアナタ、脳が溶けますよ。(という「広告」的表現を使ってみる)

フッ素系化合物は、REACH法に引っかかるからだ。REACHは化学物質の使用と管理について定めたEUの規則であり、これをクリアしていない化学物質は製品やサービスに使うことが認められていないのだ。

 日本人は、日本はクリーンな国で、身体に害を与える有害物質には厳しい基準があると考えているかもしれない。しかし、身体に影響を与える物質の規制に関しては、ヨーロッパが何歩も先に行っている。

本書「53 REACH」より

効果はともかく、日本は製薬会社の力が強く、いま「フッ素が効く」と大々的に宣伝している以上、当分フッ素規制は日本で始まることはないそうです。

実際私も探してみたのですが、現在の日本でフッ素が入っていない歯磨き粉を入手するのは、かなりハードルが高いです。 ドラッグストアで見かけることはまず無く、Amazonでも安価では売っていません。調べた時は、最安で1本2000円超の輸入物が3種類程度だけ。むーりー。

それなら歯医者に通うほうが効果は高いかもしれません。

ハンガリーでは2011年に、ポテトチップス税が導入された。メキシコでも、カロリーの高い食品には8%が課税される。炭酸飲料を飲みながらスナック菓子を食べるという食習慣に、各国政府ははっきりノーの姿勢を打ち出していると見ていい。

本書「54 肥満問題」より

まぁこのへんは読んでも「ふーん」って感じですね。

私も2年程前から、コーラはやめました。 別に社会問題は関係なく、甘いものを摂りすぎると、単純に体調を崩しやすくなることに気づいたからです。 また、糖質制限しているつもりはありませんが、パンやゴハンなども炭水化物なので、量を気にするようになりました。 甘いものは大好物ですし、疲労回復には必要ですので、適度に、ですね。

それにしても、このように酒・タバコに続いて砂糖(糖質)が規制され始めている中、仮にも某国の大統領が外国歴訪中にマクドナルドが食べたいと駄々をこねるのは、その国の凋落もやむ無しと感じざるをえません。干物妹のポテチ&コーラの宴にでも混ぜてもらうがよろしかろう。

食品の次は、水。

本書によれば、地球上の水のうち、人が飲めるのはわずか3%で、そのうち4割が南米にある。一方、世界一の人口を抱える中国とインドは水源確保に必死で、その中間地点にあるヒマラヤ山脈の水系を巡って対立・小競り合いが始まっているとのこと。
さて日本はどちらにつくべきでしょう?

www.recordchina.co.jp wedge.ismedia.jp

政治

政治についても軽く触れておきます。

世界政府

著者によれば「世界の歴史はイギリスから始ま」ります。 これまでも、産業革命も、音楽のトレンドも、世界的な潮流の多くはイギリスから始まっています。 ブレグジットも、EUを見限る「慧眼」を他の国よりもいち早く持っていたため、とも読めます。まだこれがどう転ぶか分かりませんが。

世界を1つの政府が統治する動きも始まっており、今後その勢いは加速していくとのこと。ワンピースは関係ありません。 ただし、イギリスは反対にまわる模様。

世界政府をつくる動きに反対する国もでてくるだろう。筆頭はイギリスだ。 (中略) イギリス一国が反対したところでたいしたことはない、というのは間違いだ。イギリスは先進国の中で唯一、一度も戦争に負けたことがないといわれる国。英語が世界の共通言語で、グリニッジ世界標準時なのもダテではない。世界を新たな枠組みでまとめようという試みは、最終的にはイギリス金融機関との戦いになるだろう。

本書「64 世界政府 vs. イギリス金融機関」より

tocana.jp

成長しない世界

今後の世界は成長しなくなるそうです。1つ1つの国家ではなく、世界の話です。 それは「現代のシステムは全て成長を前提に組み立てられている」から。 少なくとも、成長しない前提で物事を考える必要がある、と著者は言います。

すなわち、「成長」を前提にした西洋社会の価値観が大きく揺らぐことになる。典型的国家が米国だ。
そんな混乱時の米国最大の逆転的資産とはなんであろうか? それは、インテレクチュアル・プロパティ(知的財産)に他ならない。インテレクチュアル・プロパティは、軍備なき世界の国力そのものであり、ロボットが働いてもお金が入る仕組みからして、百年の計で見れば米国は再び日の目を見る日がやってくる。それは、ロボット・ルネッサンスと呼ばれるだろう。

本書「」より

アジア

続いてアジア。 アジアの成長要因として本書が挙げるのは、以下の3点。

  • 世界の工場であり続けること
  • インフラ整備による成長
  • 中産階級の増加による消費増

著者によれば、「2035年までに世界のGDPの6割以上をアジアが担う試算」もあるとのこと。また、「2035年までに、アジアから米軍が完全撤退する可能性が高」い、とも。

中国の影響力が増大する中、アジアではASEAN諸国と日本は、どう振る舞うべきか。キリスト教人口を上回るイスラムパワーの影響は。
他の章と同じく、本書はトピックを示すのみ。当然ながら、興味ある人、危機感を抱く人が自身で調べる必要があります。

経済

現在の資本主義経済は、いずれハードリセットを迎えると、著者は主張します。 これについては色々なところで言われているのでここでは割愛しますが、この流れに並行して「グローバルとローカル」の概念が変わっていく、とのこと。 大都市と地方創生という枠組みがそもそも変わっていくことになります。

「グローバルとローカル」という概念はいずれ「ユニオンとリージョン」に置き換わっていくだろう。 (中略) たとえば北海道は、ロシアの極東地域と緩やかなオホーツク連合を組むかもしれない。エネルギー資源に乏しい北海道にとって、ガスの供給力があるロシアは部分的には良いパートナーで、時代背景を見ながら、日本国とウマいバランスがとれるならば、韓国に取られた北極海回りの大型船のハブ港を目指すかもしれないが、これは米国の意向次第。どちらにしろ、人口が著しく減る21世紀後半の日本は、スラムまで抱える大都市・東京と、自立を促される地域に二極化すると思われる。

本書「 79 「グローバルとローカル」から「ユニオンとリージョン」へ」より

また、著者は南欧北アフリカの「地中海連合」、南米の「メルコスール」が今後勢いを増すと推測。

「地中海連合」については、スペイン・イタリア・ギリシアが、あまり間柄がうまくいっていないEUと無理に付き合うよりも、北アフリカと手を組むほうにメリットを感じるならば、2035年までに新しい共同体を設立する可能性が高いとのこと。 著者は自身のメールマガジンでも、ハリウッドが没落した後はナイジェリアが映画産業トップに躍り出る、と予想しています。 意外と北アフリカ、注目なのかもしれません。

「グローバルとローカル」でも、「ユニオンとリージョン」でも、都市を魅力的なものにして住民や観光客を呼ぶ必要があるのは、未来でも変わらないようです。

環境

環境については特にめぼしいトピックはなし。 唯一、2035年ではなく、22世紀のエネルギーが気になったので紹介。

ILC(インターナショナル・リニア・コライダー)は、これから建設される予定の世界最大の直線加速器実験施設。ビッグバンの再現することによって電子と陽電子などをぶつけ、粒子の観測を行う。この研究の過程で、新エネルギーが誕生する可能性が高い。

本書「100 ILCから新エネルギー」より

人為的にビッグバンを作ってエネルギーを取り出そうという「神の領域」に足を踏み込む研究が進んでいるそうです。 たしかにこれなら諸々のエネルギー問題は解決するでしょうが、それほどのエネルギーは人類の手に余るんじゃないかと心配になってきます。 100年のうちに、これを使いこなす良心を人類に身に付けてもらいたいものです。

神様のパズル (ハルキ文庫)

神様のパズル (ハルキ文庫)

www.doraemondb.com

まとめ)

読前の期待としては、仏教の未来がどうなっているか?でした。 仏教は直接扱われていませんでしたが、異なる宗教が合併していくという予想は読むことができました。さっぱり分かりませんでしたが。

また、人々の興味が「大衆」から「個人」に移行していくこと、世界情勢がアジアに寄りながら複雑さを増していくこと、など大きなトレンドを把握することができました。

こういうメタ的な情報を仕入れることで、日常のニュースも(あんまり見ませんが)アタマに入りやすくなります。たまには必要ですね。

本書は100個のトピックから未来を描き出していますが、当然ながら全てがまるっきり新しい話題というわけではなく、現在すでに発明・発見・話題・普及しているものも多々あります。それでも、多くの複雑な要因が絡み合う現在と未来の世界を、100個のトピックに整理したことで、俯瞰的に見渡せるようにしたことに本書の価値があります。 現代から続いていく未来を描くという観点では、なかなか現実味のある内容だったと思います。

ただし、これらはあくまで可能性。 本書を読むうえで最も大事なところは、それぞれのトピックの「未来」について知ることができても、その可能性がどのくらいあるのか? その根拠は何か? どの未来とどの未来が影響し合うのか? といったことが、ほとんど書かれていないこと。

もし書こうとすれば数千ページの大作になることは間違いないので、まぁそれを書くよりは、今のトピック紹介だけというスタンスがちょうどよいのかもしれません。

最後に、本書で言及されている幸福度について。 幸福度を測る指標としてGNH、HPIなどありますが、著者は人々が笑顔でいる国を「生きる力が満ち溢れ」る国としています。なるほど。

少なくともGDPだけで物事を判断する時代は、そろそろ終わりに近づき、もはや「指標」そのものが、意味をなさない時代になるかもしれない。人々が、「数字と自分の生活は関係ない」と気がついたら、終わりだから。

「38 幸福度」より

参考

euphoniumize-45th.hatenablog.com

2035年の世界

2035年の世界

書評『家事がしやすい部屋づくり』 『片付けたくなる部屋づくり』

諸事情によりここ数ヶ月、家事が超絶忙しい状況なので、いろいろ見直しています。 こういうときは、主婦向けの本が効くんですよ。

家事がしやすい部屋づくり

家事がしやすい部屋づくり

『家事がしやすい部屋づくり』
『片付けたくなる部屋づくり』
本多さおり

★★★★☆

家事効率化のノウハウ本

本書は、収納整理コンサルタントの著者が、家事と収納の関係に注目した家事ノウハウ本。 「断捨離」のような劇的掃除術ではなく、毎日コンスタントに無理なく続けられることを目指した本です。 本当に細かい技が満載なので、1つ1つを見れば大したことないノウハウに見えると思います。 しかし、本書は、その基礎となる考え方がとてもしっかりしているのです。

生活のベースは毎日の家事であり、気分よく家事に取り組めることこそ、毎日の幸せにつながる。そんなふうに思っています。

『家事がしやすい部屋づくり』より

こういうベースとなる考えと、実際のノウハウを一緒に、写真と簡単なコメントで見せてくれるので、ただ読むだけでも気持ちが軽やかになります。 もちろん実践にこしたことはありません。

部屋づくりの基本としては、以下。

  1. 家事に必要な道具が取りやすい
  2. 繰り返しの面倒を放っておかない
  3. ものの定位置が明確である
  4. 風の通り道がある
  5. あとラク家事を取り込もう
  6. 自分にあった方法を採用する

基本に忠実ですね。こういうの本当に大事。 ソフトウェア開発やプロジェクトマネジメントにそのまま使える考え方でもあります。 家事も仕事ですからね、通じるところも多いのでしょう。

そういえば男性向け部屋づくり雑誌って、オシャレ部屋の作り方ばかり目にしますが、家事の効率化とか書いてある雑誌ってないんですかね? 別に私は主婦向けでも気にしないんですが、自分の周りでも家事をやる男性が増えてきているので、こういうメディアもあっていいのでは。

ちょっと家事に本気出すことにした

現在妻が家事をできない状況にあるため(病気ではありませんのでご安心を)、現在我が家の家事は私ワンオペです。

具体的な作業としては、4人分の料理、洗濯、掃除に、朝の保育園送りなど。 夕方の保育園迎えと子供の夕飯は近所に住む義母に頼っていますが、それ以外の家事はすべて残しておいてもらうことにしているので、私が帰宅後に全て片付けます。 夕飯も基本的には朝のうちに作っておきますが、義母はよくおかずを作って持ってきてくれます。まったくアタマが上がりません。

さて、苦労自慢をする気はないので、効率化の施策を紹介。

掃除

幼児がいる家はすぐホコリがたまるんですよ。

まずは、掃除を自動化。 ルンバ(と同等の機能をもつ日本製)を購入し、自動起動タイマーを毎朝9時にセット。 なので、私が朝やることは、ルンバ君がなるべく動きやすいように部屋を片付けること。 アイツよく何かに引っかかって止まっているのですよ。。

料理

料理はもともと好きですが、効率化の観点ではまったく不勉強でした。 上記本のオススメ方法を少しずつ試しています。

朝食は、冷凍の魚をフライパン用クッキングシートで焼くだけ。このシートまじ便利。 たまに冷凍のアンパンマンポテトをトースターで焼いたりします。 基本放置するだけの手抜き料理です。

クックパー フライパン用ホイル 25cm×7m

クックパー フライパン用ホイル 25cm×7m

もちろん食洗機は導入済みなので、ナベやフライパンを洗うだけ。

そして、朝食作りのついでに、野菜をカットしてジップロックへ。 夜に余裕があれば(平日は週1回あるかどうかですが)、肉と一緒に炒めるか、煮物にします。 汁物や煮物も、材料をドカンと入れて火にかけるだけ。

それでも、GABANスパイスや中華系調味料など10種類くらいは常備しているので、味は色々変えています。

土日は、カレーか煮物を作りおきし、火曜の夜くらいまでもたせます。 これからの季節はおでんもいいですね。

食糧の買い出しは主に休日しかできないので、平日はネットショッピングを活用。 コープ(生協)の野菜セットや冷凍のバラ肉やひき肉も、大変重宝します。 困った時の納豆とめかぶは欠かせないですね。

euphoniumize-45th.hatenablog.com

自動化でき(て)ない家事

以下は、現在ボトルネックとなっている作業。

洗濯

洗濯機をスタートするのは妻と義母がやってくれるので、私の作業は干す作業と取り込み・畳みの作業ですね。

本書にあるノウハウとして、ハンガーを全部同じ種類に揃える(針金ハンガーは捨てる)、使う道具を近くに配置する、くらいはやりましたが、いまだに劇的に時間短縮につながる技を見つけられていません。 というか衣類関係は個人的に結構苦手な作業。。。

これは最終的には、衣類乾燥機を導入するかアウトソーシングしかないかな、と思っていますが、金をかける前にもう少し考えたいところ。

ちょっとの一手間はやっぱり人手が必要

ルンバや食洗機は大変便利ですが、落としきれない汚れもあります。

人間が軽く擦れば落ちる汚れも、現在の家電または化学技術では落としてくれないんですよね。たとえば、風呂やトイレのカビとか。

それだけを人間がやればいい、という状況だけでも以前に比べれば大変ありがたいのですが、やはり有能な掃除ロボットを切望します。 このへんは画像認識や機械学習の領域と思いますが、案外AI普及のカギかもしれませんよ。

子供に実行してもらうタスク

これもなかなか難関。

文房具、絵本、おもちゃ。アルバム(プリントした写真)もよく見たがる。最近は工作でハサミも使い始めました。

子供は、これらをなかなか「片付けたくな」らないようです。まぁ期待してませんが。

そんなよく使うけど危ないものや重いものは、置き場所がなかなか難しい。 これは子供とちゃんと話して、安全な置き場所に納得してもらうしかないかと思います。

さて、そんな子供関係で一番の難関が、毎朝の作業。 どうやって子供に積極的に動いてもらうか、がキモです。

そこで、子供がやることをホワイトボードに書き出してみました。そして、実行したら完了マークとして動物マグネットをつけさせる、という作戦を試したところ、これが意外と効きました。

この作戦は、以下のブログを参考にしました。 jun0424.com

いまはこれで出来てるので続けるつもりですが、すでに飽き始めてる気配が。。。

なぜここまで家事をやるか

一応これでも頑張っているつもりなので、なぜ頑張るかを書いておきたい。

家族のためはもちろんですが、何より自分のためです。

これも実体験ですが、家事を疎かにすると、いつの間にか気持ちが荒んできます。 それは、子供に伝わります。本当にすぐ。イヤイヤしたり話を聞かなくなったりします。 詳しい描写は省きますが、ネガティブなサイクルの一丁上がりです。

部屋の乱れは心の乱れ

ってヤツですね。(これの出典が分からなかった…) こうなると結果的に自分の時間も奪われます。 仕事関係の勉強も、趣味もできず、精神的に不安定になってしまいます。

これは体験したからわかるんですが、未然に防ぐしかないんです。 私は、日常生活の上に思考や技術や創造があると考えているので(子育てをして特にそう思うようになった)、まずは生活基盤を安定させたいのです。

とはいえ、完成された安定までは求めておらず、最低限でいいんです。

外山滋比古氏も、実生活に結びつくアイデアでないと意味がない、という趣旨の記述をされていたと記憶しています(どの本か忘れた)。 あるいはマズローの承認欲求でもなんでもいいんですが、大変なようで実は一番自分のためになる方法をやっているだけだったりします。 やりかたは人それぞれでしょうけどね。

心の余裕がほしい

先日数週間ぶりに妻に食事を作ってもらいました。

そこで気付いたのですが、私のつくる料理がだんだん貧相になっていたこと。 量はそこそこあるけど、質が落ちていた。野菜やちょっとした一品が不足気味でした。

こういうのは家事が忙しすぎると、自分では気付かないものです。 ブログやその他の趣味も、家事を最低限こなした上でやると決めているので、ちょっとショックでした。

我が家の育児スタンスは「無理しないで出来ることをやる」という感じなので、世間的に言う「育児でやっておいたほうが良いこと」を調べてもいません。 もう数カ月経てばここまで忙しい状況は改善される見込みということもありますが、それでももう少し心の余裕がほしいところです。

今はなんとなくですが、カギは長女5歳にどれだけ手伝ってもらうか、な気がしています。

まとめ

年末の大掃除に向けた準備として、家事と収納を見直し始めてみると、日々の生活の中で、小さないいことがあるかもしれません。

雑誌『かぞくのじかん』もオススメ。

家事がしやすい部屋づくり

家事がしやすい部屋づくり

埼玉県で遊べるところを紹介する

先日、「地域ブランド調査2017」なるデータが発表されました。 都道府県別の魅力度ランキングです。

tiiki.jp

どれ我が埼玉は。。。

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最下位から4番目! 中途半端!

…知ってました。毎年のことですから。

実際私も、よく他県の知人に「埼玉って何があるの?」と聞かれるんですが、回答に窮することが多く、そもそも何して遊びたいか示してから聞けよと(ry、歯痒い思いをしていました。

そんなときのためのメモとして、最近お気に入りのスポットをを挙げてみようと思います。 主にファミリー向けです。

埼玉といってもどこよ

私は上尾在住なので、そのあたりを中心に。

上尾(あげお)とは、上野、新宿からJRでおよそ40分。 いかにもな普通のベッドタウンです。 都内へ通勤する人が非常に多いのですが、電車は高崎線しか通っていないため、よく(数ヶ月に1度くらい)こんな↓感じになります。 matome.naver.jp

私はもともと埼玉の別の街で育ちましたが、子どもが生まれたのを機に上尾に引越してきました。 かれこれ5年ほど経ち、近所に知人も増え、ようやく地元感が出てきた頃合いです。

上尾に来る前は成増に住んでいましたが、スーパーマーケットで売っている食べ物がどこも本当にヒドかった。 詳細は省きますが、シナシナの野菜や干からびた(ように見える)魚や肉。 大人が分かってて住むならともかく、いよいよ子どもも生まれるとなれば、これはヤバイと埼玉に逃げ帰りました。 これが約5年前。

結果、埼玉に住んでいて、調べれば調べるほど予想以上に食が充実していることに驚いていたので、今回はこれら(の一部)を中心にご紹介したいと思います。

当然、東京にあるもの(都会的なもの)は紹介しません。

(追記) 上尾といえば、つい先日、市長と市議会議長が逮捕されてニュースになりましたね。 これで図書館問題も良い方向に向かってくれるといいのですが。

一凛珈琲 / パティスリー・イチリ

本当に美味しいコーヒーを飲みたいときはここ。 敷地内にカフェとケーキ屋が併設されているのですが、大変満足度の高い、地元民とっておきの店です。

カフェのオススメはアイスコーヒー。 アイス用に濃い目に抽出した「ホットコーヒー」を、氷いっぱいのグラスに自分で注ぎます。 実は期間限定で、このアイスコーヒーをボトルで販売されていますが、発売後数日で完売する人気商品。 完売のときは、上尾のセブンイレブンを巡ってみるといいことがあるかもしれません。

パティスリーのオススメはバウムクーヘン。本当においしいです。 去年あたり楽天で一位を獲得したそうです。ギフトにも最適。

これらが併設しているのには理由があります。 それは、コーヒーとスイーツが互いの味にしっかりと合うように作られていること。 もちろん単独でも大満足なのですが、やはり一緒に味わってこそ。

これは通わざるをえません。

角上魚類

新潟県泊港から直送の魚介類専門店です。 関東には20店舗ほどありますが、都内にはあんまり多くないです。 私は上尾の隣の宮原店に通ってます。

とにかく新鮮な魚介類が豊富。 一度行ってしまうと、普通のスーパーではもう魚を買えなくなります。 ◯トー◯ーカドーなんかはそこそこ悪くないと思っていましたが、ひと目見て明らかに鮮度が違う。

家に客を呼んで、ちょっと豪華にしたいときは、ここで舟盛りを買ったりします。 親戚や(義)両親がらみのイベントとかね。

穴場は、年末年始。 この頃の数日間は、特別に朝4時頃からオープンしています。 もちろん目当てはおせち料理用のエビやカニや刺身。

冬の早朝にも関わらず、普段閑散とした街にこんなに人がいたのかと思うほどに大混雑。 駐車場も満車なので、可能ならクルマは避けて自転車で行くほうかよいでしょう。 その時期めっちゃ寒いですけどね!

もはや我が家は、これがないと年を越せなくなりました。

kakujoe.co.jp

榎本牧場

荒川河川敷にある牧場です。乳牛がメイン。 ここのミルクを使ったバニラアイスは絶品。

自動搾乳機の見学もできて、量産ライン(というほど大きくはないですが)に組み込まれる牛を眺めながら食べるアイスは、なかなかのシュール感。

夏はバーベキューもできます。やったことないけど。

埼玉県がサイクリングを推進しているためか知りませんが、自転車小僧たちの休憩ポイントにもなっています。

saitama-criterium.jp

ホンダエアポート

前述、榎本牧場から近くに、ホンダ・エアポートがあります。 近くに寄ってグライダーを見るくらいしかやったことがないのですが、実はスカイダイビングができるそうな。 近いうちに行きたい。

www.tokyoskydivingclub.jp

サイボクハム

埼玉の牧場といえば、もう一つ外せないのがこちら。 こちらは、乳製品ではなく、牛や豚の肉です。

レストランも屋台もあるので、重厚な肉が楽しめます。 泊まりも可。

www.saiboku.co.jp

ちなみに、すぐ隣には、ちょうど昨日トランプ大統領が訪れたゴルフ場もあります。

おがわ元気プラザ

埼玉にはキャンプ場も多いです。 レベルはピンキリ。

ここは初心者向けです。 バンガローあり、炊事場に屋根もあり、管理棟には風呂とプラネタリウムまで付いています。

唯一難点は、食品の持ち込みに制限があること。 その分、事前に食品を注文しておき、当日受付時に受け取るシステム。 難点かと思っていたのですが、行ってみると結構便利で悪くないです。

これで1家族およそ5,000円程度。 寝袋さえあればどうにかなりますよ。

施設紹介 | 小川げんきプラザ

熊谷NEWLAND

倉庫を改造した小規模の店が集まっているスペース。 店だけでなく、本屋やアートスペース、ワークショップなどのイベントなどもやっており、地域の人々の集まる場所になっています。

雰囲気は「これからの日本の47人」的なイメージ。 たまに行きたくなります。

www.new-land.jp

鉄道博物館

アウトドアばかりになってきたので、屋内モノも。

www.railway-museum.jp

昔は、秋葉原万世橋鉄道博物館があり、たまに寄ると子供心にワクワクしたものです。 現在は、大宮に巨大な博物館ができています。

明治時代からの日本の鉄道の変遷を、実際に復元した車両に乗りながら学ぶことができます。 知る人ぞ知る碓氷峠アプト式鉄道の解説は、動くスケルトン模型を見ることができて、胸熱。

もちろん子供向けにミニチュア鉄道に乗ることもできます。 超人気なので、開館前から整理券配布に長蛇の列なので、ご注意を。

もう1つポイントとしては、昼食を持ち込むことをオススメします。 博物館内のレストランはお決まりのふっかけ価格だし、周囲にはコンビニ以外なにも店がないからです。

文楽・清瀧・神亀

私は意外だったのですが、埼玉にも酒蔵があります。 本当にここで醸造していますし、蔵元見学なんかもあります。

文楽は、大宮にある武蔵一宮・氷川神社に神酒を納めていることでも有名。 竹林に囲まれた、オシャレな蕎麦屋風のイートインスペースもあります。

そういえば、私が転職で職探しをしていたとき、文楽で酒作り職人を募集していて、応募しようか結構真剣に悩みました。 もうすこし違う味の日本酒が好きなので、申し込みませんでしたけど。

日本酒の店でそばを嗜む粋な飲み方をナチュラルにできるようになりたいものです。

ツアーご案内|清龍酒造

www.azumagura.com

www.shinkame.jp

まとめ

なんかだいぶ偏ったスポットばかり紹介してしまったような気がしますが、いかがでしょうか。

これらの多くの施設に共通するのは、どれも専門性をいかしながら、それだけでなくその周辺となる価値も提供していること。 コーヒー屋がそれに合うケーキを一緒に売る。 酒屋で蕎麦が食べられる。

もうすこし秩父方面の自然や、歴史的なスポットも紹介したかったのですが、それはまたいずれ。

都内からも一時間程度で行けるところばかりですので、たまには都会の喧騒から離れてみるのもどうでしょうか。 北上しすぎると、未開の奥地グンマに足を踏み入れることになるのでご注意を。。。

お前はまだグンマを知らない 1 (BUNCH COMICS)

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まっぷる 埼玉 川越・秩父・鉄道博物館'18

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