読書記録2020
あけましておめでとうございます。 今年もよろしくお付き合いくださいませ。
まず今回は、昨年の読書記録です。 ただ列挙してもアレなので、軽めのランキング形式+一言コメントでいきます。
マンガ編
マンガは多く読みました。
第10位 図書館の大魔術師 4 / 森泉
その世界で大きな権力を持つ図書館司書を目指す少年のファンタジー。
まず絵の描き込みが半端なく細かく美しい。それだけでもうお気に入り。
最新刊は主に、司書になるための試験と今後のためのキャラクター紹介。 それはいいのですが、ラストのヒキが強い。図書館司書なのに、世界レベルの話になります。 ベタと言えばベタかもしれませんが、王道ストーリーは大好物なのです。
第9位 そのおこだわり、俺にもくれよ!(2) / 清野とおる
学生時代のおバカなノリを思い出させてくれる「こだわり人」たちが、愛おしい。 こういう面白い人、Twitterにいそうでいないんですよね。
第8位 この音とまれ! (22, 23) / アミュー
とある高校の箏曲部の活動を描いた青春もの。
勢いがあり、かつ丁寧な描写で、音が聴こえてくる作品です。 それが第1話からほぼ維持しているのがすごい。
最新刊では、新入生達がようやく本当の意味で仲間入りします。
「和」の本番が楽しみです。
第7位: 月歌の始まり【自費出版】1〜2巻 / 小雨大豆
誰もがよく知る「彼」が主人公だったとは。 タイトルにあるように自費出版らしいので、応援していきたい作品です。
第6位: はたらく細胞 BLACK (1〜2)
シリーズはいくつか読みましたが、大人向けの「BLACK」がとても良かったです。
というか、原作・原田重光じゃないですか。どおりでツボを突くわけです。
飲酒、喫煙、など大人固有の生体反応が楽しめました。特に「死」の回は必見です。
第5位: 星間地政学 / 八木ナガハル
Kindle で見つけたSFマンガ。地政学とは、国家間の地理的な条件をもとに政治のあり方を考える学問ですが、この世界では「星間」でこれが行われるというのが前提。
本作のすごいところは、星間地政学における力バランスを一企業が握っていること。 ネタバレは避けますが、あるテクノロジーを独占していることが鍵になります。
これは面白かったので、他の著作も積読してます。
第4位: 100万の命の上に俺は立っている(10,11) / 奈央晃徳, 山川直輝
最近お気に入りのマンガ。 中二病な主人公が新しく、見ていて清々しいです。
異世界モノではありますが、現実の社会問題を模倣したクエストが設定されているのも見どころ。 たとえば、食糧と土地を巡る争い、自然災害、アメリカとメキシコ、麻薬戦争、ブラック企業など。
まぁ中学生がこのクエストやるのは無理がありすぎないかな、とは思います。
アニメは2期までは制作決定のようですが、ちゃんと最後までやってくださいよ、くれぐれも。。。
あと、いらすとや版は意味不明。ナシ寄りのナシです。
第3位: コミケ童話全集 (1) / おのでらさん
Twitterで見つけたマンガ。ある意味、昨年いちばん好きなマンガかもしれないです。
「推し」をただ推す気持ちが大事ということを思い出させてくれます。
アラブの石油王ドチャクソ・アブラデルがお気に入り。
第2位: 預言者ピッピ / 地下沢中也
未来を予測しつくしてしまったAIと、その友人の少年の物語。 このストーリーは衝撃です。
第1位: コーヒームーン (1〜2) / 牡丹もちと
黒い雨が降る世界で少女・ピエタはなんでもない日常を送っていた。 いつもどおり雨が降っていて、いつもどおりの道を歩いて学校に向かい、 友人・駄苗との会話を楽しむ。
そんな『いつもどおり』を過ごすピエタは、 そんな『いつもどおり』に幸せを感じていた。
その日もまた駄苗との会話を楽しむ――はずだった。
「でもどうして! どうしてピエタは昨日の今日のことを覚えてるの!!?」
少しだけ暗い、廻る日常コメディ、開幕。
こちらもTwitterで見つけたマンガ。
ダークで一貫した世界観に、メインキャラだけが明るいという際立った違和感を使いこなすセンスが秀逸です。 ただし、明るいといっても若干の(相当な?)病み感が怖くもあり。
幸せとは何か、日常とは何かを考えるようなシリアスでもあり、それでいてコメディタッチでもある、というギリギリのところを攻めているのが気に入りました。
まだ謎がほとんど明かされていないので、どっちの方向に転がっていくか楽しみです。 勝手な想像では、ピエタのお母さんが怪しい。
アニメーション編
アニメもいろいろ見ました。
第5位: 神様になった日
家族と記憶がテーマの作品を得意とする、麻枝准のオリジナルアニメ。 最初の謎感が良いですが、この真相だとどうしても最後つらくなるような。 ハッピーエンド風に終わりましたが、本当にそうだったのかどうか、よくわからないです。
- 発売日: 2020/12/23
- メディア: Blu-ray
第4位: 放課後ていぼう日誌
- 発売日: 2020/09/25
- メディア: Blu-ray
ほんわか釣りアニメ。
舞台熊本。私も熊本はよく行きますが、主に山の方なので海側の事情はあんまり知らないんですよね。行きたくなりました。
部長の熊本弁がたいへん良かったです。
第3位: 虚構推理
- 発売日: 2020/03/25
- メディア: Blu-ray
原作に忠実。高クオリティ。 エンディング映像がとてもかっこいい。
第2位: Great Pretender
「GREAT PRETENDER」CASE 1 ロサンゼルス・コネクション [Blu-ray]
- 発売日: 2020/12/16
- メディア: Blu-ray
国際的詐欺集団による詐欺事件を追ったオリジナルアニメ。ターゲットだけでなく、視聴者をも騙すシナリオがキレキレ。
設定に無理があるところも多々ありますが、それを飲み込んでも十分すぎるくらい楽しいです。
なにより、ぶっとんだ色彩感覚とジャジーな音楽が最高です。
第1位: 劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン
本当にすばらしい映画でした。
文学・芸術編
第5位: 新ハムレット / 太宰治
「新」じゃない方ははるか昔に読んだのですが、『7人のシェイクスピア』に触発されて太宰版も読みました。
やはり演劇脚本は読みにくいですが、十分おもしろいですね。
第4位: green bean to bar CHOCOLATE 世界で一番おいしいチョコレートの作り方 / 高城剛
とあるチョコレート専門店のルポルタージュ。 映像作家、カメラマンである著者の本領発揮の美麗写真集です。
第3位: 本好きの下剋上 第四部「貴族院の自称図書委員」
変わらずお気に入りのライトノベル。第4部は9冊ありますが、3周しました。
他国と関わることで、キャラクターも増え、かなり世界観が広がってきました。 よく設定作り込めるなと感心するばかりです。 だからこそ、物語が複雑になって奥行きが生まれるのでしょう。
さて、残すはラスト第5部。 完結まで待つか、もう読み始めようか、悩む時間も楽しいです。
これまでの書評はこちら。
第2位: 作曲少女2 / 仰木日向
同名シリーズの続編。 今回は転調を学びます。 キーワードは、「まるで世界の色が変わったみたいに」。
小説の構成を音楽的に読み解いてみると。
これまでメインキャラクターが2人だけだったので、トニックとドミナントだけでした。 今回新キャラクターが登場したことで、サブドミナントが加わり、音楽に色がついた、とも言えます。
実際3人になり、ストーリーに奥行きが生まれたと思います。続きも読みたくなります。
クリエイティビティ方面としても、今回もとても示唆に富んだ内容でした。
第1巻は以前紹介しました。
第1位: アマテラスの暗号 / 伊勢谷 武
天皇交代の儀式と皇室の由来をめぐる歴史ミステリー小説。 日ユ同祖論とか、神道関連の謎とか、こういう物語も大好きなのです。 ja.wikipedia.org
ラストの真相があまりにも突飛すぎますが、そこにたどり着くまでの論理と物証を数多く散りばめていて、自然に読めました。
とりあえず伊勢神宮にお参りしに行かねば!
詳しい読書メモは以下リンク先でどうぞ。
一般書編
第5位:「古今和歌集」の創造力 / 鈴木 宏子
和歌はやはり長い時を越えて残っているだけあって、良いものが多いです。 本書で和歌の楽しみ方が知れたことは収穫でした。
ただ、著者自身の主張に強引に結びつけようとする論調がわずかに感じられるので、そこは注意して読む必要あるかと思います。
第4位: LIFE PACKING 2020 未来を生きるためのモノと知恵 / 高城剛
荷物を極限まで減らした著者の、それでも手元に残ったモノを紹介するシリーズです。
毎回楽しみにしているし、気になったアイテムは購入しています。どれもちゃんと「使える」ので、その選別の精度の高さに驚きです。
第3位: 「いき」の構造
第2位: パーソナル・マーケティング どんな時代でも“選ばれ続ける人”になる39の法則 / 本田直之
第1位: ニュータイプの時代
他に読んだ本
その他の本は、Scrapboxに列挙しています。「2020」タグでどうぞ。