『木牛流馬は動かない』へようこそ
本ブログ『木牛流馬が動かない』の説明エントリです。
このブログについて
一介の本好き「あおぎり」が、読み散らかした本の感想を書きます。
音楽や歴史に興味があり、特に人間の感情や欲求が歴史に与えた影響、といった観点から考察していきます。 とはいえ、特に専門でもなんでもなく、素人がそう思っただけの記事になります。
その他、日々考えたことや学んだこと、などを雑多に不定期に書いていきます。
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木牛流馬とは?
三国志に登場する貨物用の一輪車です。 四字熟語辞典オンラインによると、
敵を騙すための食料を運ぶための道具。 「木牛」は牛の形をした車。 「流馬」は馬の形をした車。 中国の三国時代、蜀の諸葛亮が作ったとされている。
といった説明。よく分かりませんね。
実際につくるとこんな感じみたいです。
ワイとしたことが、去年の秋出現した木牛流馬おじさんを見落としていた
— きっかわ (@tegenosan) January 13, 2017
中国の山東省博山区源泉鎮岳東村の丁さん
200斤(120kg)まで載せられるよ!つよいhttps://t.co/6ao3eWar6t
(魯中網) pic.twitter.com/IeRKf8lQWU
これがなんなのかというと、稀代の名軍師・孔明ならではのアイデア満載のアイテムなのです。
本来の用途は、味方の大軍に食糧を届けること。 ところが孔明は、この木牛流馬を使って、敵将を討ち取るための策略を立てます。
作中の様子をかいつまんで見てみましょう。
- 山岳地帯での戦は食糧調達がネック。その解決のための輸送用一輪車が木牛流馬。
- 魏軍は木牛流馬を奪って自分達でも使うために複製までしたのに、その詳しいしくみを知らないまま。しかし蜀軍は知っている。孔明はこの情報の違いを利用した策略をもって魏軍に大損害を与えた。
- 食糧調達用アイテムでありながら、本当の目的は敵軍を破るための策略に使うアイテム。
と、このように単なる輸送車でありながら、いくつもの目的に使うことを想定していたアイデア商品なのです。 もう20年近く三国志にハマり続けている私ですが、何度読んでもこのシーンには感嘆します。私は孔明の最高傑作の1つだと思っています。
もう少し詳しく知りたい方は、こちらが参考になります。
策略では、実際はしくみの情報の知る知らないといった違いを利用しましたが、相手軍には妖術で動かなくなったと思わせるというアイデアも使われています。 当時は日本でいう卑弥呼の時代。科学はほぼ普及しておらず、少しでも不思議なことが起こると、民衆は妖術だの化物だのと怖がって、お供えをしたり祈ったりしていました。 こうした時代背景も考慮した、非常に鋭い策略です。 ちなみに、このとき敵将・司馬懿仲達は討ち取れませんでした。
ここで重要なのは、仕組みや考え方を知っているのと知らないのでは、同じ現象でも全く違ったものに見えることです。 木牛流馬が動かないのは、妖術によるものか、それとも単にロックがかかっているだけなのか。 食糧を運ぶためのものか、敵軍を破るためのものか。
時代背景や環境もおおいに影響しますが、現代でもこうしたことはよく起こります。 むしろ科学技術が発展した現代のほうが多いかもしれません。 iPhoneを、よくわからないけどタッチすると便利なことがある板として使うか、OSとアプリとサーバーのしくみを知って使いこなせるか。
このブログでは、観点の違い、情報の違いで見え方が変わってくるような、そのような記事を書いていけたらと思ってます。 私はSEの端くれですが、テクノロジーの小難しいことは書く気はありませんので、ご安心を。
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