木牛流馬は動かない

テクノロジーや気付きによる日常生活のアップデートに焦点をあて、個人と世界が変わる瞬間に何が起きるのかを見極めるブログ。テーマは人類史、芸術文化、便利ツール、育児記録、書評など。

木牛流馬は動かない

読書リスト 2017年夏版

8月も終盤。最近の学校は、この頃から2学期が始まるみたいです。 今回は、『サピエンス全史』記事の反動もあり、いろいろ読み(観)ました。 読んだ順に並べてます。

[小説] 作曲少女 平凡な私が14日間で曲を作れるようになった話 / 仰木日向, まつだひかり

★★★★☆

こちらを参照。

[ドラマ] ワカコ酒

★★★★☆

美味しいお酒と食べ物が何より大好きな26歳OL村崎ワカコ。ワカコの最高の癒やしは仕事の後に1人であっちこっち美味しく飲み歩くこと。偶然見つけたお店もためらうことなく暖簾をくぐる。食べたい肴とお酒がぴったり合わさった至福の瞬間ワカコの口からぷしゅーと幸せ吐息がこぼれおちる。さて今夜はどこに飲みにいこう♪ (公式HPより)

ドラマ版もアニメ版も観ましたが、酒呑み(私)にとっては素晴らしい作品ですね。

アニメ版のほうが「おひとりさま」向け。 一人で呑んでるモノローグだけなので当然ですが、暗くつぶやくだけ。でも酒と肴の美味しさの表現としては、十分。 これは偏に声優(沢城みゆき)の実力によるものでしょう。私はこちらのほうが好みです。

ドラマ版は、どちらかといえば店にスポットを当てています。 実際の居酒屋でロケをしているので、これはこれで楽しいです。

今回の第3期では、予算がついたのか、それとも誘致があったのか、旅行ロケが多かったですね。 これも悪くはないんですが、個人的には、もっと日常の呑みを観たかったかな。

吉田類の跡を継ぐのは、個人的には、これまで藤原竜也かと思っていたのですが、武田梨奈が一躍トップ候補になりましたね。 TOKIO松岡や博多大吉も見逃せないところ。

[マンガ] 獣の奏者 / 上橋菜穂子, 武本糸会.

★★☆☆☆

精霊の守り人』の著者が原作のマンガ。 Kindleで安かったので1巻だけ読みました。 期待どおりの面白さ。 期待以上ではなかったかな。

獣の奏者(1) (シリウスコミックス)

獣の奏者(1) (シリウスコミックス)

[KU] [エッセイ] 多動日記(一)「健康と平和」-欧州編- / 高城剛

★★☆☆☆

普通の出版社では出せない(断られる)書籍をKindleで出版してしまおうという目的で創設された「未来文庫」。 その第一弾は、著者の旅についての日記風エッセイとなりました。

キンドル大ヒットシリーズ「黒本」に続く、大手出版社から「タイトルも中身も差別的である」という理由から出版を断らた一冊が、電子だけで登場。 大手出版社は「もし、本書を出したいなら、診断書を提出しろ」と高城に迫りました。 果たして、どちらが差別的なのでしょうか。

なぜ、高城剛は旅を続けるのか。 自由は、どこにあるのか。

多動の日々を苦悩する著者の初の旅行日記は、「真実の世界」を描いているのか? それとも「頭のなかだけの出来事」なのか。

地球100周した著者がはじめて語る、非線形の21世紀型旅行スタイル。 現実と非現実が交差する「ポスト真実」時代の旅行記。 紙では出版できなかった、電子ならではの一冊です。

内容は世界情勢や海外旅行に興味がある方は面白いかと。

後日、あらためてレビューする予定。

[マンガ] ちおちゃんの通学路 / 川崎 直孝.

★★☆☆☆

『日常』っぽい。 といえば、お分かり頂けるだろうか。 荒削りながらつい読んでしまう作品。 なんか好き。

[マンガ] 虚構推理 (6) / 城平京×片瀬茶柴

★★★★☆

「虚構」から生まれた怪異「怪人七瀬」を、それを超える「虚構」で上書きする、という異例のミステリーの完結編。

複雑な条件のもと、解決を4つも提示して組み上げていく論理の美しさに、感動です。 (原作読んでいても)

原作小説は、ミステリー大賞受賞とのこと。 おめでとうございます。

書き下ろし続編の発表もあり、まだまだ盛り上がりそうです。 絵柄も好き。

虚構推理(6) (講談社コミックス月刊マガジン)

虚構推理(6) (講談社コミックス月刊マガジン)

[マンガ] 天賀井さんは案外ふつう (4) / 城平京×水野瑛多

★★★☆☆

こらちも完結編。

もうお分かりでしょうが、私が最も好きな作家は、城平京です。 ミステリー作家、マンガ原作者として、数々の作品を発表しています。

ミステリーとしての複雑なロジックが整合していく美しさ、 古今のSFや古典の名作を下敷きにしたストーリー、 動機の哀しさと強く優しい想い、 シュールな舞台設定や作中の小話やギャグ。

本作はコメディタッチの軽めのお話。 今回は浦島太郎がベースです。

[小説] 雨の日も神様と相撲を / 城平京

★★★☆☆

カエルが相撲をとるお話。 もう訳がわからない。 面白いんですが、いささかシュールすぎるので、初心者にはオススメしません。

[実用] タモリさんに学ぶ 話がとぎれない 雑談の技術 / 難波義行

★★☆☆☆

ふと目に止まったので読んでみましたが、著者のタモリ愛は伝わりました。

タモリさんに学ぶ話がとぎれない 雑談の技術

タモリさんに学ぶ話がとぎれない 雑談の技術

[KU] [マンガ] 魔王の始め方 (1) / 小宮利公

★★☆☆☆

魔法理論系の物語が好きなので読んでみました。 『トリニティ・セブン』とか。

表紙から多少お色気はありそうと予想してましたが、まさか第一話からヤりまくりとは思いませんでした。 そしてエスカレートしていく…

かなり端折って分かりやすく例えれば、虚淵っぽいダークさが良いですね。

その割に、意外と魔法の論理はマジメにやってます。

[マンガ] 梅衣堂ひよと旦那様の野望 / 米山シヲ

★★★☆☆

中世ヨーロッパ風の舞台の屋敷に、なぜか2016年のテクノロジーを駆使するメイドがやってくる、というギャグ漫画。 テンポがよく、意外と好き。

[ドキュメンタリー] 山田孝之東京都北区赤羽

★★★☆☆

2014年の作品ですが、Amazon prime videoで観ました。 山田孝之は、役者としてスランプに陥ったときに、あるマンガに感銘を受けます。 そのマンガとは、清野とおる東京都北区赤羽』。 山田は、その作品の舞台である赤羽に移住し、そこの人々と交流していく中で自分を見つめ直す、というドキュメンタリー。 山田孝之は好きな役者ではありますが、彼の迷走感がものすごいです。 心配になって観てしまう感じ。

[www.tv-tokyo.co.jp/akabane/:embed]

[マンガ] からかい上手の高木さん #1〜5

★★★☆☆

照れたら負けの全力青春バトル! いっつもオレをからかってくる隣の席の高木さん。 だけど見ていろ、今日こそは必ず高木さんをからかって恥ずかしがらせてやる!!

いやー、いいですねー! 青春っすねー! 西片くんが「勝つ」日はそう遠くない未来に訪れると思いますが、意図して、となると、何年先になることやら。

[アニメ] 月がきれい

★★★★☆

あらすじ。

川越の中学校に通う小説家志望の安曇小太郎と陸上部の水野茜は、同じクラスになったのをきっかけにお互いを意識しはじめ、ある日、小太郎が茜に告白し、ぎこちない交際がはじまる。少しずつ仲を深めていく二人だったが、茜は父の転勤で千葉の高校に進学することになる。茜は遠距離恋愛になる不安を抱えるが、小太郎は茜との交際を小説に綴り、小説投稿サイトに投稿。それを読んだ茜は小太郎が自分に寄せる強い思いに涙しながら、街を離れる。

こちらも中学生が主人公のアニメ。学校、部活、趣味、地元、家など、好きなことができるようでいて、自分ではどうにもできない制限も多い年頃の恋愛がテーマ。大人から見たら狭い人間関係でも、本人達は必死で将来に向けて生きている様子を丁寧に描いています。
本作の聖地、埼玉県川越市は個人的に関わりのある街ということもあり、その期待もあって見始めました。実際、川越の町並みと祭りの再現度はハンパないです。 音楽にもかなりこだわっており、純文学の引用とポップスの名曲が効果的に使われていて、シーンを盛り上げます。参考までに挿入歌はこちら(Wikipediaより)。すべてアコースティックにアレンジされており、歌は透明感のある声の東山奈央

もうね、感動して涙出るなんて数年ぶりな気がします。とにかくキレイ。絵もストーリーも音楽も。なにより、キャラクターみんなの心が。それでも表面上だけの薄い描写なんて全くなくて、毎回心の奥底に優しく沁み渡る。ここまで純粋に美しい作品にはそうそう出会えません。

[アニメ] サクラクエスト

こちらを参照。

[マンガ] この音とまれ! #15 / アミュー

★★★★☆

珍しく今でも紙で買ってるマンガ。

予選が終わり、全国大会の切符を勝ち取った彼らの、日常とイチャイチャの巻。 彼らいつも頑張っているので、たまにはいいんじゃないでしょうか。 個人的に好きなシーンは、滝浪先生宅への新年のご挨拶です。

楽譜集まで発売されて、いま一番アツい音楽マンガ。

この音とまれ! 15 (ジャンプコミックス)

この音とまれ! 15 (ジャンプコミックス)

[映画] マダム・イン・ニューヨーク

★★★★☆

あらすじはこちら。公式HPより。

インドで夫サティシュと年頃の娘サプナ、幼い息子サガル、そして姑と暮らす主婦シャシは、菓子作りが得意の良妻賢母だが、英語が苦手なことを娘にもバカにされ、コンプレックスを感じている。そんなある日、ニューヨークで暮らす姉マヌから娘ミーラ(シャシにとっての姪)が結婚するのでその準備を手伝って欲しいと連絡が来る。夫の勧めもあって家族に先立ち1人でニューヨークにやって来たシャシだったが、まともに英語を話せないために恥をかいてしまう。激しく落ち込むシャシだったが、たまたま目に入った英会話教室の案内に一念発起し、姉をはじめとする家族にも内緒で英会話教室に通うことにする。様々な国からやって来た仲間たちと英語を学ぶ中でメキメキ上達するシャシに、同じ教室で学ぶフランス人シェフのローランは想いを寄せるようになる。

といったストーリーのインド映画です。
やはりインド映画ということで、まず気になるのが「どのくらい踊るのか?」ということですが、なんと本作ほぼ踊らないです。
そして、普通におもしろくて、驚きます。
そこそこ話題になった『きっとうまくいく』もかなり面白かったのですが、あくまで単発かなと思っていました。しかし本作も観て、インド侮れないと考えを改めました。映画レベルも、英語レベルも、そこそこ歳いってるはずの主演女優の美貌も。

[madame.ayapro.ne.jp/:embed]

[KU] [実用] 脳と瞑想: 最先端脳外科医とタイの瞑想指導者が解き明かす苦しみをなくす脳と心の科学

プラユキ・ナラテボー, 篠浦伸禎.

★★★★☆

僧侶と脳外科医による、瞑想についての対談本。

篠浦 当たり前のことですが、脳をまともに働かせるために一番大事なことは、物事の、あるがままに観た情報を受け取ることが大前提であって、脳を働かせる基本中の基本と言ってもいいでしょうね。

これを読んではっと気付いたんですが、瞑想って「虚構」を外す作業なんじゃないか、ということ。 『サピエンス全史』で触れられているように、世の中には虚構があふれています。あるいは、自らが(意識してても、してなくても)生み出した虚構も。 これらが脳にこびり付いていると、受容感覚器が取り込んだ「現実」についての情報が歪められます。 この虚構が自分の所属する社会(組織)に合うものならば、問題はないかもしれませんが、もし違っているとそれは不幸の素になりえるものです。 仏教は瞑想によってこの歪みを取り除くことを提唱しており、そのゴールは「ありのままに観た情報を受け取ること」。上記引用では「基本中の基本」と言われていますが、たしかにそうなんですが、かつ、同時にゴールそのものではないかと思います。

実はまだ読み終わっていないので、読了後にあらためてレビューしたい。

脳と瞑想 最先端脳外科医とタイの瞑想指導者が解き明かす苦しみをなくす脳と心の科学 (サンガ新書071)

脳と瞑想 最先端脳外科医とタイの瞑想指導者が解き明かす苦しみをなくす脳と心の科学 (サンガ新書071)

[KU] [実用] 1時間でわかるビットコイン入門 ~1円から送る・使う・投資する~

小田 玄紀

★★★☆☆

知人の勧めでビットコインを購入してみたので、勉強。 入門書として分かりやすいです。 ただし、約1年前の出版にもかかわらず、ビットコインの進化と変化が激しすぎるため、すでに古い内容がかなりあります。 たとえば本書では、1BTC(ビットコインの単位)の価格が6万円の想定ですが、2017年8月末現在では約47万円です。8倍。 ブロックチェーンの基本的な技術や仮想通貨・暗号通貨がそもそもどう始まったか、などは普遍的な内容なので、ふむふむと読みました。 今と同じところ、違うところ、を見極める意味でも勉強になりました。

そういえば、『けものフレンズ』再放送も観てます。 おしまい。

イマココ

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