書評『生産性』
仕事とプライベートが地味に忙しかったので放置してました。ブログのモチベーションが(早くも)下がっていたため。ぼちぼち再開します。
さて今回は『生産性』をきっかけに、日本の労働環境と日本式システムについて考えてみたいと思います。 著者は、マッキンゼー日本法人で採用・人材育成を長年担当してきた凄腕マネージャー。
- 作者: 伊賀泰代
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2016/11/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (8件) を見る
今回は新しい試みとして、Twitter多めです。
現在の日本の問題点
電通の一件以降、「勤務時間」に関して厳しく見ようみたいな風潮が生まれてきてるけど、そんな対処療法的な事しても持ち帰りの仕事が増えたり仕事終わらなくて精神的負担が増えたりと、別の何処かにシワ寄せが行くの見え見えなんですが。どうして残業時間が膨れ上がったのか考えようよ
— 楽しい人生マン (@TanosiJinseiMan) 2016年11月28日
丸投げのうえで詳細仕様に難癖をつけるのは、まだきちんとレビューしてるのだからましなほうで、ドキュメントの何行目のフォントが気に入らないみたいな、どうでもいい指摘をひたすらやるだけで1000万円とか持っていくオッサンもいるわけで、だからこの国の生産性は低いままなんだなと思うのね
— 椚座 くにゅくにゅ/// 淳介 (@kunukunu) 2016年12月28日
転職理由、素直に環境がクソだった的なこと言うと「それを変えていこうとは思わなかったの?」と詰めてくる人事が何人かいたけど短い人生、健気な24歳の娘がどうやって変えてくんだよ、たしかにそこで変えれたら文句無しの美談だけど、おっさんガイアの夜明け見すぎて脳みそふやけてんじゃねーのって
— 叶いまちぇん (@knim_c) 2016年12月7日
ノー残業デーだけで、制度も風土も全然な会社は吐いて捨てる程ある。
— りょうたっち (@ryoutacchi3) 2016年12月13日
「消灯後に電気つけたらいいんやで」という輩はPC電源落とさないとわからん。
「翌日残業したらいいんやで」という輩はノー残業ウィークやマンスを味わわないとわからん。
それくらいガンコな汚れがこびりついてんねん。
私の前職も、一種のブラック企業でした。
残業中のはずの19時半には休憩のチャイムが鳴り、すると皆コンビニへ大行列。実質的な定時は22時でした。そしてそこから本当の仕事が始まる…
電通ほどではなくても、これは十分異常です。
そして、私はこれを自慢する気は全くないのですが、こういう話になると(転職話の流れでなりがち)、必ず「そんなのまだまだ楽。ウチの職場なんて…」と語り出す手合いの多いこと多いこと。 …そういうのが嫌だから辞めたんですけど。
「過酷な環境を生き抜いた」事が自慢になってしまうという日本人の根源的なところにあるクソを見直さない限り、この環境は変わらない
— 楽しい人生マン (@TanosiJinseiMan) 2016年10月11日
現代は「社会システムの不健全さ」を「個人が強度の健康をもって対応している。」
— 高城剛 (@takashiro_bot_) 2017年2月1日
諸悪の根源:日本式システム
擦り合わせ型は、製品と組織(日本式システム)が密接に連携すること前提になっています。
www.nagaitoshiya.comhttps://www.nagaitoshiya.com/ja/2015/japanese-labor-productivity-levels/#heading_.E6.97.A5.E6.9C.AC.E4.BA.BA.E3.81.AE.E5.8A.B4.E5.83.8D.E7.94.9F.E7.94.A3.E6.80.A7.E3.81.AF.E4.BD.8E.E3.81.84
組織が持続的に活動していくためには、個人と組織が対等な協業関係にあるという認識が必要です。 仕事内容が明確な雇用契約形態は、容易にクビにするためのものではなく、働く責任範囲を決めて、その中で最大限の成果を出すためのもの。責任範囲が決まらないと、人は何をやればいいのかわからなくなるからです。
このあたりは頭では理解していても、実際の肌感覚としては、外資系企業に入ってみて初めてわかったところでもあります。
例えば、先日弊社では、それまでの社長が営業部長になりました。 日本の感覚では、降格かと思ってしまいますが(その場合もあるでしょうが)、今回は単なるジョブチェンジです。 その人はもともと営業出身なので、社長業のモロモロをやるよりも営業に集中したほうが、 会社としての目標により近づける、という判断。 実際、これにネガティブな印象を持つ社員は(本人含め)いません。 個人と組織が対等だからこそできる方法なのかな、と思います。 あわせて、目的と方法を分離する、という考え方も必要です。
社会で重用されたいなら「わたしはスペックがこんなに高い交換可能な人材です」ってアピールしまくらないといけないのに、それと同時に「優秀になって特別な人材になろう」って掛け声も同時に信じるの、どうやっても無理
— 人類を絶滅させる1000の方法 (@tikal) 2016年10月22日
ごく普通の、ちょっと要領がよくない人間にとっては、働きながら生活をするなんて最初から不可能なんじゃないかと思う
— 丘 (@anntm_) 2016年11月13日
そこで生産性
日本人って学校でも家でも「すべてを同じように、しかも、できるだけ完璧に」と教えられてる。それは一見「いいこと」のようで、反対からみると、「優先順位も付けられない」「結果として、とても生産性の低い生活」につながってる。今回の本で、多くの人がそのことに気付いて欲しいと思ってる。
— ちきりん (@InsideCHIKIRIN) 2016年11月28日
人生は短い。20代は誰にとっても10年=120ヶ月しかない。30代も40代も同じ。自分が「こういう生活がしたい」と思う生活を手に入れるためには、時間の生産性を上げること=人生の時間の有効活用が不可欠。
— ちきりん (@InsideCHIKIRIN) 2016年11月28日
まずは労働時間を減らす!減らすのが難しいなら、増やさない!
労働時間を減らすことで、労働の価値が上がります。 「質問したいけど、あの人はあまり長い時間会社にいないからつかまりにくい」とお互いに思えば、時間を大切にするようになります。
日本式システムでは、仕事を早く終わらせると、早く帰れるのではなく、次の仕事がどんどん降ってくるのも問題。 よくいう「やったほうがいい仕事」は無限に増えていくってやつです。「やるべき仕事」に集中したいですね。
家事も保育も介護も医療も工場も工事現場も、人手不足だから外国人労働者で穴埋めしよう!っていう奴隷の発想はやめよう。安い労働力は格差を生むだけ。それは根本的な問題解決になっていない。現場を見れば分かること。待遇の底上げで生産性とクオリティ向上に努めるべき。社会の風紀にも関わること。
— フィフィ (@FIFI_Egypt) 2016年9月7日
"男性は昇進するけれど給料が下がる、という状況でも喜んでやるが、女性はレスポンシビリティとコンペンセーションのバランスが合わなければやらない。"報酬と責任が合わないとって意味か。デフォルトで会社と心中することに意義を見出してないのが女性だってことだよね。俺もそうだわ
— ELAN(バン) (@mt_elan) 2016年9月26日
生産性を上げるってつまり無駄を無くすことだし突き詰めれば無駄な行事やら宗教も無くなる訳で資本主義の最終形態が共産主義ってのもなんとなく解る。
— MASA (@MASA31836341) 2016年12月27日
気付いている人は(少しずつ)増えている
特に育児経験者はわかると思いますが、本当に日本式システムで仕事と育児の両立は難しいんですよ。 そんな中でも頑張っている人達は少しずつ増えてきていて、時間のない中でも主にTwitterで活動報告を読むと、とても励みになります。
職場の面談で「二人育児しながら仕事なんて無理だろ」的なことを言われたけど、
— Manami Taira (@mana_cat) 2016年10月17日
私は、働き方次第だと思ってるから。
ぜんぜん諦めてないから。
これからの子持ちエンジニアの可能性を信じてる。
これからの働き方を変えていって次の世代に繋げていきたい。
そう誓った日になった。
いつ子供が病気するかわからず「残業できない明日には会社に来れないかもしれないという緊迫感」に包まれて仕事してる感。
— りょうたっち (@ryoutacchi3) 2016年12月8日
今は妻が育休中(娘が待機児童中)で家にいるので一時的にこの緊迫感からは解放されているけど、妻が復職したらまたあの緊張の日々に戻るのかと思うとゾッとする。 https://t.co/rI2Fxo6mNQ
管理職になった時に、部下には「残業が多いからといって評価はしない。すでに残業代で報いられている」「評価は時間あたりの成果」と伝えてある。評価面談の時期になってルールを発表するのではなく、最初の時点で方針を示している。
— りょうたっち (@ryoutacchi3) 2016年10月18日
私の部下に時短社員は居ないけど、居ても同じ考えで評価する所存。
モチベーションを上げるために
まずは世界的なトレンドから。
現在、世界的なトレンドは「朝」であり、よって、ジョギングからパンケーキまで「朝文化」が世界を席巻しています。アメリカの面白いカフェは、朝6時にオープンし、夕方6時に閉まってしまう店ばかりです。
— 高城剛 (@takashiro_bot_) 2017年1月7日
朝のほうが効率がいいというのが現在の常識。 最近の我が家は、私は5時、妻は3時起きです。
朝型or夜型の議論は昔からありますが、仕事だけ考えるなら朝夜どちらでもいいと思います。 ただし家庭や趣味などとの両立を考えると、仕事は朝型に限ります。
もう一つ必要なことが、(私にとっては)やはり仕事以外の好きなことをやるですね。
そして、その好きなことの優先順位を上げる努力をする。
上記の朝型生活も、そのための時間確保の一環といえるでしょう。
本当に早く家に帰れたとして、ゲームしたりYouTube観たりするのはもちろん素晴らしい時間だと思いますが(皮肉でなく本当にね)、一生それだけで本当にいいの?というところも考えたいところ。
時間をつくっても、何をしていいのかわからず、不安だから、とりあえず目先の仕事に逃げてしまう。時間ができたら、まずは自分と向き合う時間に充てるべき。そうすれば、自分が進む道が見えて、その時間に何をすべきか明確になるはずです。
— 高城剛 (@takashiro_bot_) 2016年10月27日
大事なのは、生産性を上げることではなく、何のために生産性を上げるのか。目的を見失わないようしたいものです。
おまけツイート
世間体とか自身のイメージとかこれをやったら他人にどう思われるかとかそういうことを気にせずに仕事を選ぶ人を僕は心から尊敬します。
— ビニールタッキー (@vinyl_tackey) 2016年11月25日
相対的価値観は楽だけど周り次第で自分の立場が揺らいでしまい、結局精神的にも安定しない。
— 細井聡司@5/27 初台DOORS (@hosplug_hosoi) 2016年9月15日
絶対的価値観を持つことが重要。 https://t.co/su72SMx99D
第二回「働いたら負け」を上回るニートに勇気を与える名言を募集します。
— 坊主 (@bozu_108) 2016年12月1日
前回最優秀賞
「釈迦も無職、キリストも無職」
前回高齢の住職賞
「職即是苦苦即是職」
お待ちしております。
「自分の時間を取り戻そう」
— タカ (@taka_free_11) 2016年12月27日
自分の好きなことに、なるべくたくさんの時間を使うことが、人生においてとても大切なこと。@InsideCHIKIRIN pic.twitter.com/2BsVhTrn84
- 作者: 伊賀泰代
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2016/11/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (8件) を見る