木牛流馬が動かない

テクノロジーや気付きによる日常生活のアップデートに焦点をあて、個人と世界が変わる瞬間に何が起きるのかを見極めるブログ。テーマは人類史、芸術文化、便利ツール、育児記録、書評など。

木牛流馬が動かない

書評『ライフハック大全』

W.シェイクスピア

人間は習慣によってなんと変わるものか!

はじめに

そもそもライフハックとは。 日々の生活を少しだけ少しずつ良いものにしていくことを目指し、ノウハウを共有していく。

位置 14
実際に毎日の生活を変えるのはむしろ「行動の変化」、つまりは習慣なのです。
そして習慣を変えるには、大きな決心をしたり、継続しようと歯を食いしばって努力したりといったことは必要ありません。毎日の行動を、毎日数分で実践できるような小さな近道で入れ替えてゆくだけで、やがて大きな変化を生み出すことができるのです。 (中略) 小さなことを繰り返すことで、大きな成果が得られる。これがライフハックの本質なのです。

単に便利ツールを紹介してドヤ顔したいわけではなく、少しずつ、少しでも、継続的に、確実に、自分をより望み通りの方向に変えていく。 そのための方法論、というわけですね。

この考え方が好きです。 まぁツールをいろいろ試すのも好きなんですけどね。

というわけで、仮にもライフハックをブログの1カテゴリとして掲げている身としては、読まない訳にはいかないです。

気になったところを連々と

SECTION 00

位置: 383

作家のジュリア・キャメロンは毎朝3ページ、とりとめもなくただ筆を走らせるだけの文章を書く「モーニング・ページ」という習慣を提唱しています

これは、毎朝出勤前に、15~30分程度やってます。 内容は公開できないものばかりですが、とはいえ、そんなスゴイことは書いてなくて、本当に「とりとめもな」い内容です。 しかし、書けば書くほど、なにか変わってきていることは実感しています。

位置: 453

 こうして アウトプットの解像度を高めることが、自分にしか表現できないアイデアを表現するための基礎となる のです。

「アウトプットの解像度を高める」という表現が好き。

SECTION 01

*位置: 598 *

「時間の見積もり」は必ず失敗することを想定して2倍に

仕事では(特に時間の)見積もりにバッファを取ることは当たり前のようにやっていますが、意外とプライベートで忘れているものです(私は)。

*位置: 734 *
たとえば以下の10のカレンダーが参考になるでしょう。
■ 仕事(動かせない): 会議、約束など
■ 仕事(動かせる): 自分の作業時間、コアタイム
■ 家庭・個人(動かせない): 約束、お迎え
■ 家庭・個人(動かせる): 外出予定など
■ 雑用: 郵便局、銀行などといった雑用
■ 移動時間: 予定の前後の移動時間の管理
■ 記念日: 誕生日、結婚記念日、命日など
■ 余暇: 遊び、読書などの時間割当
■ 成長: 学習時間
■ テンプレート: 起床、就寝、食事時間など

これは即導入しました。 カレンダーには色が付けられるのですが、私は優先度の高い用件ほど色の濃いカレンダー、動かせる/できればやる程度の予定には薄い色のカレンダーを割り当てています。 これにより、一目で優先度がわかる。

著者は、私とほぼ同時期に子供が生まれたとのことで、「お迎え」とか普通に紛れこんでることに勝手に親近感を覚えたり。

24時間テンプレートも、そのうち作りたい。

SECTION 02

本書では、ごぞんじパレートの法則にも触れています。

位置: 839 *
ことでも、もっと才能に頼ることでもありません。 最も重要な部分に集中して時間を投下する ことです。  このとき参考になるのがパレートの法則、俗に「80:20の法則」と呼ばれている経験則
(中略)
時間の使い方もこれを反映して徹底的に不平等にするのがパレートの法則を取り入れるためのコツ
(中略)
成果の80%を生み出す20%部分だとわかっている重要なタスクについては必ず朝一番の、最も集中力が高まっている時間を割り当てる

頭では分かっていても、案外忘れているものです。

*位置: 879 * 英語には「完璧を追い求めることは愚か者の所業」という慣用句があります。

私は外資系IT企業で働いていますが、日本企業と比べて、アウトプットに躊躇がないと感じます。 できたと思ったら、とりあえず出す。 私も意識はしてますが、なかなか及びません。

*位置: 894 *
ここでいう「プロ」とは、それでお金を稼いでいるかとは関係がない、その仕事を、その仕事のゆえに繰り返すことができる人のこと

これは継続的な目標達成には欠かせない視点ですね。

SECTION 03

*位置: 974 *
の目標」はむしろビジョンのようになり、四半期の、3カ月ごとの目標が具体性を帯びてくるよう

*位置: 1,041 *
ToDoリストは未来の自分に向けてボールを投げるのに似ていますので、自分がそれを受け取りやすいように、上手に送球するわけ

どこかで聞いたことある話。

euphoniumize-45th.hatenablog.com

SECTION 04

*位置: 1,178 *
効果を生み出すタスクの設定方法として、1981年にジョージ・T・ドラン氏が提唱したS.M.A.R.T(スマート) 方式というものがあります。説明する人によって頭文字の当て方はいくつかありますが、私はSpecific(具体的) で、Measurable(測定可能) で、Actionable(アクションをとれる) で、Realistic(現実的) で、Time-Based(期限がある) と説明するようにしてい

タスクの立て方について。 こういうことを研究している人もいるんですね。

SECTION 05

*位置: 1,389 *
大目標や中目標は多少曖昧でもいいので設定し、印刷して常に持ち歩くようにしましょう。

スマホアプリまたはWebでなら、「やりたいことリスト」としていつでも見られるようにしています。 これを印刷する意味はよくわからなかったところ。

euphoniumize-45th.hatenablog.com

*位置: 1,443 *
ひとまとまりの仕事が終わっても、それでおしまいではありません。 まとまった仕事は、「名前」をつけて、将来それを再利用できるようにしておきましょ

名前をつけるという作業は、それ以外の全てのものと区別をするという意味を持ちます。

これをやることで、アタマの中で区切りをつけるわけです。 その区切った単位を、タスクと呼んだり技術と呼んだりするわけです。

だからなに?という感じですが、個人的に言語の命名については気になっています。

*位置: 1,455 *
テンプレートが充実すれば充実するほど、過去の経験をもとに、クオリティの高い状態をスタート地点にして作業を開始できるのです

テンプレートをつくるときに大切なことは、固定部分と可変部分をしっかり区別すること。 これさえ整理できれば、テンプレートの形は好きなように

*位置: 1,765 *
そのため、自分が仕事に対して求めている意味や、長期的に成し遂げたいと考えている目標といったものと仕事のアライメントがとれているとき、無尽蔵の力がわいてくるのです。価値観や、目標を明確にしておいたほうが良い理由は、まさにここにあります。

時間とやる気の使い方に方向性が生まれるわけですね。 これがないと、ふらふらとどこに向かっているのかわからなくなり、Twitter沼に陥ります(個人の感想です)。

SECTION 06

*位置: 1,854 *
そうした睡眠を確保するための目安がブログ「Early to Rise」でクレイグ・バランタイン氏が紹介していた10-3-2-1ルールです。これは就寝時間を基準にして、
■ 10時間前にはカフェインを控えるように
■ 3時間前には食事も控える
■ 2時間前には仕事をするなどの緊張感を高める作業を止める
■ 1時間前には液晶スクリーンを見るのを止める

これを実践し始めたところ、朝早く起きることができるようになってきました。 超絶、朝が弱いのでまだまだですが、調子がよければ3時頃から活動していたりします。

SECTION 07

*位置: 1,973 *
「無知」とは「どのように対応すればいいのか知らなかった」という手続きに対する情報不足を指します。「愚かさ」は、何をすればよいのかは知っていたのに、その知識を適切に実行することができなかった場合を指し

耳が痛すぎる。でも大事。

*位置: 1,991 *
自動化は、時間そのものだけでなく、それに割り当てている思考や手間も消してくれるのです。

ここがライフハックがツールを重視する理由。 一度仕組みを作ったら、いちいち判断しない。

SECTION 08

*位置: 2,118 *
そこで客観的に重要かどうかよりも、自分が個人的に興味を持てるかどうかという視点に立ったほうが、選別はうまくいきます。そのために、あなた自身の興味は漠然と広く持つのではなく、 可能な限りマニアックな「専門分野」を持つことが成功の鍵 になります。  このジャンルの、このテーマなら誰にも負けたくないという分野を選び、「自分はその情報を 濾し取るフィルターなのだ」というイメージで世の中の情報を選んでいきます。

興味がある、おもしろい、重要。 それぞれの印象を抱く事柄について、それが自分にとってどんな感情が起こるかを気にしてみる。

SECTION 09

*位置: 2,373 *
百科事典を作るような気持ちでEvernoteに情報を入れていると、しだいにノイズに負けてしまいます。 鮮度とテーマ、この2軸で管理する ことで、情報の流れを止めずに、情報の蓄積場所のノイズを低く保つの

これまでの私のEvernoteの使い方は、まさに百科事典を作る作業に近いものになっていました。 興味のあることだけクリップしていても、大きな目標がないと、どうしても雑多でノイズまみれの「インターネットの縮図」ができあがるのです。

今では、くだらないことや一過性のものはTwitterで消費することで、Evernoteに蓄積する情報の純度を高めています。 Twitterにばかり居ることの言い訳ではなく。

ただ、Evernoteはクライアントアプリの同期機能のレスポンスが私の求める性能に達していないため(かなり高性能のPCやAndroid端末を使っても、遅すぎるし、同期エラーになるし)、現時点では有料プランをやめ、ベーシックプランに切り替えました。

今では、Markdownで書けるテキストエディタを活用しています。 それについては、またの機会に詳しく。

*位置: 2,383 *
 そこで読書の極意は「何を読むのかを選ぶこと」、つまりは「何を読まないのか」に対して極めて厳格であること です。この点につき、田中菊雄氏は名著『現代読書法』で1章をあて、エマーソンからカーライル、小泉八雲らを引用して解説をしています。その骨子は、 1. 時間を経て、他の人の評価を経た本のみを読むこと 2. 自分が読みたいと感じる本を読むこと  という、互いに互いを補完する2つの指標に集約され

*位置: 2,489 *
何がディープ・ワークに相当するかは、自分の能力の限界を見つめるしかありませ

rebuild.fmでも、ディープワークとシャローワークについて触れられていました。

位置: 2,514
そこで「学習は蓄積である」という考えを捨てて、「常に入ってくる新しい知識の流れを維持する」と考える ほうが長い目でみて効果が高くなります。

古い知識は「蓄積」ではなく「背景」と考えると、新しい知識も「流れ」が見えてくる。

*位置: 4,067 *
 具体的には、面白いか面白くないか、写真に収めるべきかそうでないかといった考えが入る前に、どんどん記録していき

感想

本書の1つ1つの項目は、ツールの使い方だったり、視点をちょっとだけ変える考え方だったり、と一見脈絡もないものばかりです。

しかし、やりたいことがある人が、それに向かって進むために(そして少しでも効率化を考えたとき)、これらは最強の道具となります。 250個すべてを行う必要はありませんし、なんなら1つもやらなくてもいい。 ここに書かれていることが全てではありません。

ライフハックが目指すところを理解し、自分なり日常を小さく1つだけ変えることができれば、それで十分なのではないかと思います。

著者は、自身のメルマガで「ライフハックはもはや古い」と述べています。 本書でも、紹介したノウハウは忘れたほうが良いと言い切ってしまってます。

様々なハックにより生活が少しずつ変わり、「推進力」が自然なものに変わったとき、それらのハックは意識されることがなくなっているのが理想、ということです。スーパーサイヤ人であることが自然な状態を目指すわけです。

そして、そこから更に加速するための方法は、「ニッチな専門分野」をもったあなたが自分で開発していくものです。

*位置: 4,191 *
「変」であることとはなんでしょうか? 最もわかりやすいのは、時間の使い方やお金の使い方、つまりは自分のリソースを普通の人とは別のことに集中的に投下する人のこと

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ここで鍵となるのは、一種の「しつこさ」です。ライフハックは人生の特効薬ではありません。それは直面する問題に対して適用できる武器や、道具のようなもので、ちょうどいいものが見つかるまでトライ&エラーを繰り返してゆく必要があるの

やりたいことを自分で見つけて、自分で計画して進むことができる、というスキルこそが人間の自立そのものなのです。 (もちろん、そこに他人を慮る気持ちを加えることができると最高ですね)

そういえば、『お金の教養』の泉正人氏も、似たような趣旨の発言をされていました。

すくなくとも自分の子供達には、自分でやりたいことを見つけて、自分で歩きだす力をつけてほしい。 そのためにもし少しだけ手助けできることがあるとするなら、私自身のライフハックを記録しておくことも(それが20年30年の時を経ても通用するものならば)意味があるのかな、と。 そんなことを思ったり思わなかったりしました。 おしまい。