木牛流馬が動かない

テクノロジーや気付きによる日常生活のアップデートに焦点をあて、個人と世界が変わる瞬間に何が起きるのかを見極めるブログ。テーマは人類史、芸術文化、便利ツール、育児記録、書評など。

本がぐいぐいアタマに入る読書法

最近、読書をするときに、いつもと違う読み方をすることがあります。

これがなかなか良い方法で、内容の理解が進むし、読後の記憶やそれに基づく思考・単なる感想のレベルでも、これまでとは比べ物にならないほど充実した読書になる、と思っています。

すでにやっている人にとっては当然の内容だと思いますが、この方法を紹介します。

きっかけ

人類史を「虚構」を軸に再編纂したベストセラー『サピエンス全史』。 これを読む前に、私は「革命の歴史をざっと振り返る」というエントリーを書きました。

なぜこれを書いたかというと、本を読む(知識を得る)前に、その時点の自分が何も知らないことを認識し、それを記録するため。 その目的は、読んだ後の知識や思考と比較することです。 比較と言っても、定量的なものではなく、過去の記事を読みかえして「アイツ(過去の自分)、分かってねーな」と振り返るだけです。

ソレ何が楽しいの?と思うかもしれませんが、やってみると意外とモチベーション上がりますよ。

本がアタマに入るとはどういう状態か

本がアタマに入るとどうなるかというと、ブログが書けます(笑

もとい。

よく知っている分野についての本ならば、下調べしなくても読むことはそこまで苦痛ではありません。 その背景や内容が、すでに自分の血肉になっているからです。 新しい本を読むときも、既知の内容との差を捉えればよいだけなので、比較的サラッと読めます。

一方、まったく新しい分野の本は、前提知識もないので、分からないことだらけ。 こういう本を読むときに、どうすればその内容をイチ早く自分の血肉にできるか、と考えてみたわけです。

これをやるのとやらないのとでは、同じ文章を読んだときでも、「ふーん」で終わるのか、思考の枠組みを根幹から覆される知識に出会えるか、というレベルで違います。 もちろん本の内容やそれに対する興味の強さによることは間違いありませんが。

やりかた

で、そのやり方。

本を読む前に、その本のタイトルあるいは目次だけから思いつくこと、考えられることを書きまくってみる。これだけです。

一言でいえば「予習しよう」「準備しよう」ってことになりますかね。 私は学校の授業なんか一切予習しないクチだったので、三十路過ぎてようやく目覚めたということでしょうか。

さて、これだけでは分からないと思うので、具体的なプロセスを挙げます。

まず自分の素の知識(と少しのWikipedia)だけを頼りに、そこから考えたこと・思いつくこと・単なる妄想などを、ひたすら書き殴ります。 「ひたすら」とは、「これ以上なにも思いつかなくなる」というところまで。

私はそれをブログの1記事にまとめました。もちろん、単にメモをとるだけでも効果はあると思いますが、公開する文章にまとめるほうが、よりアタマに入るのは間違いありません。

そして、そこまでやって、ようやくターゲットとなる本を読む。

これを事前にやっておくと、本を読んでいるときの頭への入り方が違います。 1文1文読むたびに、文章がグイグイ押し寄せてきて、事前にメモした知識が繋がっていき、巡らせた思考がアップデートされていくのが、自分でわかります。

この知識と思考のサイクルが回り始めれば、こっちのもの。読後も、記憶の定着が明らかに良いと感じています。

どのくらいやるか

もちろんあまり下調べしないで読むこともあります。 そのときはアタマへの入り方は弱いと感じます。 まぁ、あなたにとって、その内容が「ふーん」で終わっていい(と事前に思った)ものなら、それで十分でしょう。 こんなん毎回やってられませんし。

それでもやはり、どれだけ事前に深掘りしたかで、読書効果は変わります。

ある程度アタマに入れたい内容ならば、ほんの1時間だけでもそれなりに効果はあると思います。

ポイントは、Wikipediaの使い方です。 「自分が知っていること」「知っていたはずだけど思い出せないこと」の確認のためだけに使い、Wikipediaからなるべく新しい情報を入れないようにすると、読書も楽しめるかと思います。

デメリット1

この方法のデメリットの一つに、「予習」をしているがために、読みたい本を読めない期間が発生します。

『サピエンス全史』のときは、例の事前記事を書くのに2ヶ月位かかりました。個人的にとても興味あるテーマだったので出来たことかもしれません。

あ、もちろんまったく関係ない本は並行して読んでましたよ。

この方法は、本と人の相性にかなり左右されます。そこが合わないと、かえって苦痛かもしれません。

読みたいのに(まだ)読めないことで、私の場合は読書欲がどんどん増えていきましたが、もしその間にフラストレーションがたまるくらいなら、こんなことは即やめて、すぐ読みたい本を読み始めることを強くオススメします。

デメリット2

デメリットではないですが、注意。

「予習」すると、ターゲットの本を読むスピードが激落ちします。

読んでるときに色々なことを考えすぎてしまうからです。

もちろん、そのためにわざわざ予習してまで読んでいるので、目的通りといえばその通り。 けして悪いことでもないので、そういうもんだと割り切ることが必要です。

ちなみに、他にも何冊か同じようにやってみましたが、程度の差こそあれ似たような効果が得られました。

大抵はもともと興味のあるテーマの本を選ぶはずなので、事前にも読書中もアレコレ考えるのは、そこまで苦痛ではないはずです。

ただ、時間的なコスパは良くないので、毎回ではなく、読む前から「これは」という期待大の本に限るほうがよいのかな、と感じています。

まとめ

前述のとおり、単に読前読後の比較のために始めたことですが、この「予習」は、どの本でも使える技だと思います。

いまは色々なジャンルの本で試してみている段階です。あと、シックリくる技名が見つからない。

うまく応用すれば、仕事でも使えると思います。本から知識を得るという意味では、読書も仕事も同じなので。

気になった方は、お試しあれ。

あ、小説はやめたほうがいいかも。 (試してません)

サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福

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