木牛流馬は動かない

テクノロジーや気付きによる日常生活のアップデートに焦点をあて、個人と世界が変わる瞬間に何が起きるのかを見極めるブログ。テーマは人類史、芸術文化、便利ツール、育児記録、書評など。

木牛流馬は動かない

読書リスト 2017春版

夜型人間のための知的生産術 / 齋藤孝

★★★☆☆

仕事と育児と自活を鼎立させるためにも、自分の時間をひねりだす必要があります。

たまに早起きして勉強などするのですが、やはり朝は苦手。 起きるのもそうですが、子供が起きる前に朝食を用意しないといけないので、 終わりの時間を気にしてしまって、作業内容に没頭しにくいのもあります。

というわけで、夜型人間のための言い訳の本。 やはり没頭できる、というのは重要な気がします。

夜なら酒も飲めるしね!

情報ダイエット仕事術 / 堀 E.正岳

★★★★☆

出版当時、知人に紹介されて読んだけど、数年ぶりに再読。 当時はRSSEvernoteなどのサービスが出始めの頃で、私自身も情報を集めまくることが勉強だと思っていた時期。 そんなときにこの本を読んだので、価値観の違いに衝撃を受けました。 この本のおかげで、情報収集については、今では新聞・ニュース・RSSなどを自分から読みに行くことはなくなり、Twitterや厳選したメルマガのみから自然と入ってくる情報だけに絞っています。

他にもApple製品やクラウドを中心としたツールの活用法もあり、今読んでも、慧眼としか言いようがない内容です。

ちなみに著者のメルマガも購読しています。 万人の目に触れるブログと違い、生の(良い意味でまとまっていない)思考が読めるので、知的好奇心を刺激されます。 それでも十分、言語化できているのがすごい。

情報ダイエット仕事術

情報ダイエット仕事術

「言葉にできる」は武器になる / 梅田悟司

★★★☆☆

先日、友人と「言語化って大事だよね」という議論をして(叱咤をもらって)以来、なるべく言語化を心がけています。 できてるかはともかく、やろうとは思ってる。 その参考に。

「言葉にできる」は武器になる。

「言葉にできる」は武器になる。

[KU] 歌川国芳 春画集 / クールジャパン研究部

★★☆☆☆

グロい… 国芳は好きですが、これはちょっと…

なんで読んだかというと、Kindle Unlimitedで見つけたからです。

歌川国芳 春画集

歌川国芳 春画集

Pythonライブラリ厳選レシピ / 池内孝啓

★★★☆☆ (Python学習者向け)

仕事で使うPythonを勉強中なので、1冊買ってみました。

事前にインターネットの初心者向け記事のメジャーなところはだいたい読んで実行しました。 同じように、ある程度基本はわかったよ、という人が本書の対象です。

初心者向けのインストラクションはこのご時世インターネットでいくらでも知ることができますが、本書のような役に立つライブラリの紹介や使いどころを、実例を交えて解説してくれる本ってなかなか出会えないのです。

しかもYMLやINIの使い方や、ファイルの取扱いなど、よく使うところの狙い定めが的確。

Python ライブラリ厳選レシピ

Python ライブラリ厳選レシピ

[KU] スマートPythonプログラミング:Pythonのより良い書き方を学ぶ / もみじあめ、Sonoko Asano

★★★★☆ (Python学習者向け)

こちらも「入門書の次に読む本」という位置付け。

プログラミングのはじめの一歩Hello worldは、初心者こそそのまま写経してニヤニヤするものですが、次のステップに進むならば、その中で何が起きているのかを詳細に知る必要があります。これはPythonに限らずどの言語でも同じ。

一つ前の『厳選ライブラリ』が実例集とすると、こちらは理論書にあたります。Pythonistは両方あわせて読むことをオススメします。

a.co

サピエンス全史 上下合本版 文明の構造と人類の幸福 / ユヴァル・ノア・ハラリ, 柴田裕之(訳)

★★★★★

あなたがホモ・サピエンスならば読むべき一冊。

人類の歴史のすべてを、7万年前から現代(と少し未来)まで、食物、政治、哲学、経済、貨幣、科学、技術、産業、エネルギー、生命、宗教、幸福など様々なテーマごとに完全解説。 著者によると、これらの全てはある一つのキーワードで説明できる、とのこと。 詳細はここでは書きませんが、今後レビューしていきたいと思います。

ものすごく分かりやすい言葉で書かれているので、世界史を一通り学んだ中学生くらいなら読めると思います。 ただし、完全な理解となると大人でも相当難しいので、気になるテーマだけでもよいでしょう。

著者は、とにかく公正な視点での考察を心がけているようで、ある宗教やイデオロギーに偏ることもないし、歴史上の出来事についても善悪ではなく、誰にとってどんな影響があったかを(人類に限定せず)複数の視点で描きます。 たとえば、産業革命に始まる現代の資本主義は、人類の富の総量を増やし平和をもたらしたかもしれませんが、その犠牲になっている家畜や一昔前まで奴隷でいた人々の現代まで続く不利益についても言及します。 これは著者が歴史研究家だからでしょうが、イデオロギー的な主張をしたいわけではなく、記録をしたいための著書だからかと思います。

というか、著者の他分野への見識が深く、かつ的確すぎて正直ビビります。

これだけ推しておいてなんですが、本書はAmazonランキングで1位になったそうですが、皆そんなに読んでるのかな? 本書の読了/購入の人数比を各国で算出・比較したりしたら、いい社会学研究データになりそう。 ちなみに、私は読了まで2ヶ月かかりました。

そして7万年の歴史を振り返った人類は、この先どこに行くのか。 以前こんな記事を書いたので、興味ある方はどうぞ。 euphoniumize-45th.hatenablog.com

a.co

サクラクエスト / P.A.Works

振り返っていて気づいたんですが、そういえば今回は小説をほとんど読んでいないです。 代わりといってはなんですが、ここからはTVアニメ。

★★★☆☆

「お仕事アニメ」に定評のあるP.A.Worksのオリジナル新作です。 個人的に今期、最も推しです。

まずは公式からあらすじ。

主人公、木春由乃こはるよしのは、田舎から上京し短大の卒業を間近に控えた、いわゆる普通の20歳の女の子。 東京には何でもあって、きっと特別な何かになれるのではないかと夢みて、30社以上の面接を受けるも、未だに内定はない。銀行の残高は980円。このままでは、田舎に帰って普通のおばさんになってしまう・・・と葛藤していたそんなある日、以前、一度だけ働いたことがある派遣事務所から、「地域の町おこしの一環で国王をやってほしい」との依頼がある。よくわからないが軽い気持ちで依頼先の間野山市に向かうことにした。 一時的に日本中でブームになるも、バブル崩壊に合わせて今ではほとんど見ることの無くなったミニ独立国。間野山市は、今なおミニ独立国を続けている、廃れた残念観光地だった。そんなこんなで、由乃の”普通じゃない”お仕事生活がはじまった。

外からデキる人を呼んで町おこしをやることはあると思いますが、仮にその人の言う通りにやって地域が活性化したとして、そこにもともと住む人々はどう思っているのでしょう? もし、なんかおエラいさんが勝手にやっている、妙な観光客が増えて困る、といった感じなら、その活性化は成功したと言えるのでしょうか?

ましてや、本作では単なる短大卒業の普通の女の子が「国王」をやることにはなるのですが、住民がそんな国王にそう簡単に従うはずもありません。 そこをどうやって解決していくか、というのが本作の見所なのですが、これが本当に地道(褒め言葉)。 町の特産品を売り出し、伝統工芸を調べ、映画ロケを誘致し、イベントを企画する。その地域の住民や職人、商工会議所と毎回モメながら、一つずつ解決していきます。 『あまちゃん』は町おこしよりもアイドル路線が強い印象でしたが、こちらは本当に町おこし一本で勝負です。

本作の舞台は富山県Wikipediaによると、P.A.Worksの周囲の風景を多く使っているようですが、これが本当にキレイ。 この「聖地」をじっくり映しながら、その「普通の」良さをじっくり再発見していく、なかなか素晴らしい作品かと思います。

エロマンガ先生 / 伏見つかさ, かんざきひろ

★★☆☆☆

俺の妹がこんなに可愛いわけがない』と、スタッフもストーリーもほぼ同じ作品です。

ぶっちゃけ出オチというかタイトルオチの作品ですね。 キャラクターが可愛いとかテーマソングが良いとかありますが、どれだけ御託を並べたところで、視聴者(候補)がこのタイトルを超えられるかどうか、の一点に尽きるかと思います。

一応タイトルにちゃんとした理由はあるみたいですが、現時点オンエアではまだ明かされていません。

eromanga-sensei.com

四畳半神話大系 / 森見登美彦

★★★★☆

夜は短し歩けよ乙女』の劇場公開に合わせて再放送されていたので見ました。

これは本当にすごいです。 アニメーションの常識を塗り替えた、と言われる前評判がそのままの意味でした。

気になるなら見ろ、としか言えないです。

yojouhan.noitamina.tv

今回はここまで。 『サピエンス全史』がようやく終わったので、積読をガリガリ消化していきます。